俺のポンコツスキルが美少女を神レベルに強化して無双する話~限界社畜は異世界でハーレムスローライフを満喫したい。たとえ「命令」スキルがポンコツチートだとしても~
第09話 社畜は買い物する①モンスター売り(詐欺)
第09話 社畜は買い物する①モンスター売り(詐欺)
「それで、どこに向かえばいいんだ?」
ミリアの屋敷に荷物を置いて、俺たちは再びナクシャ村に出てきた。
向かいたいのはこの村に来た本来の目的の場所だ。
「村の北に向かいます。そこにエルン村の住人が集まっている地域があるんです」
馬車から降りてすぐにあった村の入口が南側らしい。
ミリアの屋敷も入口の近くにあったから、屋敷から正反対の位置になる。
「みんなは森から少しでも離れたいみたいで、私だけこちら側に屋敷を買ってしまいました」
「もしかしてデーモンに村を襲われたことがトラウマになってるのか?」
「そうみたいです」
故郷を奪われるなんてトラウマになっても当然だろう。
「ミリアは大丈夫なのか?」
「私は平気です。もちろん、嫌な記憶ですけど、それでも本当は村から離れたくなかったくらいですから……少しでも近くにいたかったんです」
「そうか。だったら、早く村を取り戻さないとな」
「はい、もちろんです! マサト様がいれば絶対に取り戻せますから!」
改めて俺たちは決意を新たにした。
ミリアに案内されながらナクシャ村の中を歩いていく。
活気がある村だった。
通りには様々な店舗が並んでいて、人の出入りも多そうだ。
「さぁさぁ、お兄さんお姉さん! 寄ってらっしゃい、見てらっしゃい! ここに並ぶは世にも珍しいモンスター素材だよぉ~!」
それなりに人の数がある大通りで、ひときわ元気な声で客引きしている女の子がいた。
女の子の後ろにはお祭りの出店みたいなものがある。
そこには良く分からない骨や皮が広げられていた。
「なんだ、あれ? モンスター素材??」
モンスターって今はもうほとんどいないんじゃなかったのか?
「マサト様、気になりますか?」
「モンスターって聞こえたから、少しな」
俺のスキルに関わるかもしれない。
「そうですよね、でも……あれは詐欺師です」
「詐欺師?」
「ガラクタを、希少で高価なモンスター素材だと偽って売る悪質な手法です。なのですが、今となってはモンスターの素材かどうかを見分ける方法なんてありませんので、野放し状態なんです」
「なるほど……」
どの世界にもいるもんだな、くだらない連中ってのは。
「ですがマサト様が気になるのでしたら、すこし見ていきましょうか。まだ日が暮れるまでには時間がありますから」
「いいのか?」
あやしいと分かっているが、それでもなんだか気になった。
「マサト様が望むのなら、よろこんで。それに見るだけなら楽しいものですから」
そう言ってミリアがはにかむように笑ってくれる。
実にキュンである。
「でも、気を付けてくださいね。モンスターの名前がつくものは、ほとんど偽物……少なくとも私は本物を見たことはありません。口車に乗せられてはダメですよ?」
「わかった。俺も買うつもりはない。ただちょっと……気になることがあるから、試してみたいんだ」
「試してみたいこと、ですか?」
「あぁ、実は……」
ゴニョゴニョゴニョ……と打ち合わせをして、何食わない顔で屋台に近づいてみる。
「やぁやぁ、いらっしゃーい!! 世にも珍しいモンスターの素材だよぉ!!」
獲物が罠にかかったとばかりに店主の女の子がニコニコですり寄ってきた。
顔だけ見れが美少女なんだけど、残念だ。
「へぇ、モンスターの素材か。珍しいなぁ」
「本当ですね。さぞ貴重な素材なんでしょう」
ミリアと二人して白々しい演技だと思うが、店主は気にしていないようだ。
「そりゃあもちろん、どれも超貴重な一品ぞろいだよっ!」
「ふーん、ちょっと疑問なんだが、そんなモノどこで手に入れたんだ?」
「おっと、お兄さん。そいつは企業秘密ってヤツだよぉ! 気にしちゃいけない!」
当然答えるワケないよな。
というか、答えられないハズだ。
予想通り。
好都合だな。
さっそく試してみよう。
「命令だ。本当のことを言え」
店主に向かってスキルをかける。
人間であるミリアに有効だったのなら、もしかしたらこの世界の人間に対して有効なのかもしれない。
「いやだなぁ~! お兄さんったら!! いくらお兄さんがイケメンでも、こいつは商売なんだから、秘密は秘密! そんなことより、この骨をごらんくださいよ! 立派な骨でしょう!?」
店主には特に変化はなし。
平然と嘘を並べるたてる。
ミリアに対してスキルが発動した時の、あの機械音声みたいな声も聞こえなかった。
(やっぱりダメか……まぁ、予想はしてたけど。誰でも好きな人間につかえるなんて、それこそチートだからな)
……となると、何か別の条件があるのか?
なんでミリアに発動したのかも謎だが、とりあえず気になっていたことの一つは実験できた。
このままもう一つも試させてもらおう。
「あら、素敵な骨ですね。これはなんのモンスターの骨なのかしら?」
ミリアがわざと店主のセールストークに食いついて注意を引いてくれる。
「おぉ、ベッピンさん! お目が高い! こいつはあの有名な古代の巨大ウルフ、ヴァナルガンドの背骨の一部さ!! お姉さん、こんな話を知ってるかい? ヴァナルガンドってのは、かつては幸運の象徴でね……」
その間に俺は並べられたモンスター素材たちをチェックしていく。
目当ての品はすぐに見つかった。
「これか」
それは隅の方に置かれていた。
大きな黄色い羽が目につく。
手のひらよりも大きい一枚の羽だ。
鳥の羽にしては大きい。
(確かにモンスターの羽と言われると納得してしまいそうなサイズだな……)
偽物にしては、良くできているというか。
なぜか作られたものに見えない。
黄金色が混じった黄色い羽。
どこか神々しくも感じる……ような気がする。
(うん、間違いない。これだ……なんだか気になってた気配の正体。何か分からないが、これだけ他のニセモノと何かが違う……)
そんな気がする。
だから本物だという確証があるワケではないが……。
まさか……と思いながら、つぶやいた。
「まわれ」
【専用スキル:
「……っ!?!?」
スキルが……発動した!?
手にした羽が、くるくると手のひらの中で動き出す。
(スキルが反応している……! この羽……! この羽だけは本物だぞ……!!)
気になっていたもう一つの実験。
結果はまさかの成功だった。
どうやら俺のスキルはモンスターの素材にも効果があるらしい。
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