第17話 昼寝から目覚めたら目の前に遺体

もう、関係者が全員鬼籍に入ったので、話せるお話し。


とある田舎の昼下がり。

暑い夏の農作業で、疲れてしまった父。


昼食の弁当を食べる為に、涼しい木陰のある竹藪の下に車を留めた。

弁当を食べて、水筒のお茶を飲み

午後の農作業に向けて、車の運転席の座席を倒して、昼寝をした。


すっかり寝入ってしまって、

雨音を耳にした。

『農機具をおいたままだった。濡れてしまう。』

しまった~と、飛び起きたら


目の前に、半分白骨化した死体が、首を吊ったまま

ぶら下がっていた。


自分の車のフロントガラスの向こう側に、ぶら~んと。

その足の先が、自分の車に着いている。


絶叫して、車から飛び出た。


大急ぎで、近くの家に飛び込んで、

警察を呼んでもらった。


警察が到着してから、現場に向かったが、

その死体は消えていた。


「寝ぼけてたんでしょ。」

ということで、警察から怒られたが

車のボンネットには、死体が乗せた、足型が残っていた。

それを示して、辺り一帯を捜索したら。


死体はあった。


太い竹の先に。


雨で死体が重くなって、下に下がったのだ。

雨が止んで、また死体は上に。


後日、その死体の主が判明し

家族の元に帰れた。


行方不明になってから、1年近く経っていたそうだ。


それ以来、父は竹の子掘りには行かなくなった。

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