強ジョブだけど自惚れない

百一朗

プロローグ

第1話王都Aランクパーティー

 王都ベルヴァニアにて、若くしてAランクに昇格した。冒険者パーティー【五つの誓い】そのリーダーである俺、アレクは、ギルドで仲間たちと祝賀会を開いていた。

「五つの誓い Aランク昇格を祝して、かんぱーい!!」

「「「「かんぱーい!!」」」」


 俺の掛け声の後に、パーティーメンバーは酒を飲む。


「もう王都に来て、3年か・・・」


 感概深そうにパーティーの前衛、カレンが喋った。


「色々ありましたね⁓⁓」


 カレンの発言に、パーティーの後衛のマリナが相槌を打つ。


「皆のおかげさ、ありがとう」

「まぁ、そうかもね」


俺の言葉に、パーティーの中衛、メアリーが同意する。


「アンタはどう思う、ヒイロ」


メアリーの質問に、パーティーの後衛、ヒイロは数秒悩んだ後、申し訳なさそうに発言した。


「僕は、あまり役に立てなかったなと・・・」

「それは違う!」


ヒイロの言葉を、俺はは勢いよく否定した。


「ヒイロも含めて、皆の協力があったから、ここまでこれたんだ。そんな事言わないでくれ。」

「アレクさん、・・・わかりました。すみません・・・」

「謝ることないさ、皆、今日は特別な日だ。楽しもう!」


 Aランクパーティー、五つの誓いの祝賀会は、夜遅くまで続いた。













 夜遅く、宿屋の自室に戻った俺は、祝賀会を振り返り、こう思った。今日の俺の行動、かっこよくねと。

 Aランク昇格を祝して、祝賀会を開き、自分自身を落とすような発言をしたヒイロの言葉を否定し、パーティーメンバー全員を褒める。会計は、全員分出し、優雅に帰る。

 誰がどう見ても、仲間思いの優しいリーダーに見えたはずだ。自身の行動を振り返り、何度も自分を褒めた後、俺は思った。村を出て、王都に来て良かったと。

 村にいた時の俺は、ただの好青年だったが、今はAランクパーティーのリーダーだ。過去の自分の選択を褒めてやりたい。そんなことを考えた俺は、あの時のことを振り返っていた。

 

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