祈り、或るいは、瞬き

或 るい

6.26: 青が滲むまで

 また、この季節が来てしまった。

 六月の声を聞くと、私の心は落ち着きをなくす。空気が濃密な湿気を孕み、アスファルトの匂いが雨に溶けて立ち上る頃、決まって、あの場所の記憶が私を呼ぶのだ。いや、記憶と呼ぶにはあまりに曖昧で、それはむしろ抗いがたい衝動に近いのかもしれない。


 私の名前はユキ。都内の小さなデザイン事務所で、グラフィックデザイナーとして働いている。日々の業務は、クライアントの要望に応え、締め切りに追われ、ありふれた都会の喧騒の中で過ぎていく。同僚たちは私のことを「物静かだけど、仕事はきっちりやる人」くらいに思っているだろう。それでいい。私は、私の内側に誰かが深く踏み込んでくることを、無意識に避けて生きてきた。


 心に、ぽっかりと穴が空いている。

 その穴の正体はわからない。いつからそこにあるのかも、どうすれば埋まるのかも。ただ、梅雨の時期になると、その空虚は質量を伴って私を苛む。何かを失くした。何かを、あるいは誰かを、忘れてしまった。その漠然とした喪失感だけが、雨音のようにしつこく思考の縁を叩き続ける。


 今年も、その衝動に突き動かされるように、週末の休みを取って電車を乗り継いだ。古都の空気を肺いっぱいに吸い込み、バスに揺られて山の麓へ。そこから続く、古びた石段の参道。霧雨が視界を煙らせ、私のコートをじっとりと濡らしていく。

 無意識に、左手首を右手でそっとさすった。もう何年も続けている、意味のわからない癖。傷跡なんてどこにもないのに、そこにはもういない誰かの、小さな手の温もりが、幻のように残っている気がした。


 石段を上りきると、世界は青に染まっていた。

 そこは、土地の人々が「紫陽花寺(しようかじ)」と呼ぶ古刹。境内を埋め尽くす無数の花々が、雨露に濡れて宝石のように輝いている。薄青、空色、藍色、そして夜の底みたいな深い紫。数えきれないほどの青のグラデーションが、私の視界で静かに、そして暴力的に滲んでいく。

 私は毎年ここに来て、ただこの青に吸い込まれるように立ち尽くす。それ以上のことをするわけでも、できるわけでもない。


 今年もそうするはずだった。

 その青の奔流の中で、心の穴から吹きつける風の音に、ただ耳を澄ませているはずだった。


「ユキ姉、やっと来た」


 その声は、すぐそばから聞こえた。

 鼓膜を通り越して、心のいちばん柔らかい場所を直接震わせるような、不思議な響き。

 振り返ると、そこに少年が立っていた。日に焼けた肌。少しサイズの合わない、古びた白いシャツ。どこにでもいそうな少年なのに、その瞳だけが、あまりにも深く、静かに私を見つめていた。

 見たことのない顔。知らないはずの少年。


 なのに彼は、ユキ姉、と私を呼んだ。

 何年も、誰からも呼ばれていない、記憶の奥底にしまい込んだはずの名前だった。


「……だれ?」

 掠れた声で問うのが精一杯だった。

 少年は少しだけ眉を下げて、ひどく懐かしむように、そして少しだけ困ったように笑った。

「ハルだよ。忘れちゃった?」


 ハル、という響き。

 その二音の言葉が、私のこめかみの奥に鈍い痛みを走らせた。身体が、意志に反して勝手に反応する。知らないはずの名前に、なぜこんなにも心が揺さぶられるのか。得体の知れない恐怖が背筋を粟立たせ、私は思わず一歩後ずさった。

「人違いです。私は、あなたのことなんて知らない」

「違わないよ。ユキ姉はさ、いつもこの色の花が好きだったよね」

 少年――ハルは、私の拒絶をまるで意に介さず、そばにあった淡い空色の紫陽花を指さす。その仕草があまりに自然で、私の心はさらに混乱した。

「気安く呼ばないで」

 強い言葉とは裏腹に、自分の声が情けなく震えているのがわかった。この場から一刻も早く逃げ出したい。そう思うのに、足が根を張ったように縫い付けられて、動かなかった。


「……かくれんぼの続き、しよう」

 そう言ってハルが、泥のついていない、綺麗な手を私に伸ばしてくる。

 その手を見た瞬間、私は弾かれたように踵を返した。振り払うことすらできずに。

「待ってよ、ユキ姉!」

 背後から追いかけてくる声を無視して、私は石段を転がるように駆け下りた。もつれる足を叱咤しながら、ただひたすらに。雨で滑る石畳も、すれ違う観光客の訝しげな視線も、何もかもがどうでもよかった。

 寺を飛び出し、バス停まで無我夢中で走った。息が切れ、心臓が肋骨を突き破りそうに痛い。バスに飛び乗って窓の外に目をやると、山門の前に、雨に濡れる小さな人影が見えた気がした。


 ◇


 東京に戻っても、あの少年の残像は脳裏に焼き付いて消えなかった。

「ハルだよ。忘れちゃった?」

 その声が、仕事中も、食事中も、眠りにつこうとする夜も、繰り返しリフレインする。

 私は、自分の精神状態を疑い始めた。過労による幻覚か、あるいは、心の穴がついに悲鳴を上げて、都合のいい幻を作り出したのか。

 デザインの作業中、色の選択に手が止まる。特に青系統の色を前にすると、あの寺の光景がフラッシュバックして、動悸が激しくなった。クライアントに提出したデザイン案に「青の使い方が以前より硬い」「どこか怯えているような青ですね」と指摘され、私は返す言葉もなかった。


「ユキ、最近どうしたの? なんか、上の空だよ」

 昼休み、サンドイッチを頬張りながら、同僚のミサキが心配そうに私の顔を覗き込んだ。彼女は数少ない、私の心をノックしてくる人間の一人だった。

「……別に、なんでもない」

「なんでもなくないでしょ。隈、ひどいよ。ちゃんと寝てる?」

「寝てる、つもり」

「ふーん……。あ、そうだ。これ、よかったら」

 ミサキはそう言って、バッグから小さなアロマオイルの小瓶を取り出した。ラベンダーの香りだった。「リラックスできるから」と彼女は笑う。その優しさが、今は少しだけ痛かった。


 その週末、私はたまらず実家に電話をかけた。両親とは、もう何年も当たり障りのない会話しかしていない。特に、私の記憶が曖昧になったあの事故以来、家族の間には見えない壁のようなものができていた。

「……お母さん? 私だけど」

『あら、ユキ。どうしたの、急に』

 電話口の母の声は、どこか張り詰めているように聞こえた。

「別に、用ってわけじゃないんだけど……。ちょっと、聞きたいことがあって」

 私は意を決して切り出した。

「うちの古いアルバムって、まだある?」

 一瞬の沈黙。電話の向こうで、母が息を呑む気配がした。

『アルバム? ええ、あるけど……それがどうかしたの?』

「ううん、なんとなく。昔のこと、少し思い出したいなって。今度、見に帰ってもいい?」

『……ええ、いいわよ。いつでも』

 母の声は、明らかに動揺していた。その反応が、私の胸に新たな疑念の種を蒔いた。家族は、何かを隠しているのではないか。私が忘れてしまった何かを、意図的に。


 いてもたってもいられなくなり、私は翌週、再びあの寺に向かっていた。

 今度は逃げるためではない。確かめるために。あの少年が、ハルが、本当に存在するのか。それとも、すべては私の狂気なのか。

 雨はあの日よりも強く、世界は灰色のフィルター越しに見えた。

 境内に入ると、あの日の場所に彼の姿はなかった。代わりに、本堂の縁側で箒を手に、静かに庭を眺めている住職の姿が目に入った。私は吸い寄せられるように、その背中に近づいた。


「……あの」

 私が声をかけると、住職はゆっくりと振り返った。皺の刻まれた、穏やかな顔。

「何か、お探しかな」

「先日、ここで……男の子に会いました。ハル、と名乗る……」

 そこまで言って、私は言葉を切った。自分の口から出た言葉が、ひどく現実味のないものに聞こえたからだ。

 住職は驚いた様子もなく、ただ静かに頷いた。

「紫陽花は、七変化とも呼ばれますな。根を張る土の性質で色を変える。酸性ならば青く、アルカリ性ならば赤く。人の心もまた、拠り所とする土壌で色を変えるもの。あなた様の土は、今、何色かな」

 まるで禅問答のような言葉だった。

「忘れるということもまた、人が生きるための慈悲やもしれませぬ。ですが、忘れられた者はどこへ行くのでしょうな。忘れられた時間は、ただ消えて無くなるのでしょうか」

 住職は、答えをくれなかった。ただ、私の心の奥底に、静かな波紋を広げる問いを投げかけただけだった。

 彼はふと、視線を境内の奥へと移す。

「あの古い井戸の周りだけは、毎年決まって、それは見事な蒼色に染まるのです。まるで、土そのものが何かをずっと記憶しているかのように。忘れまい、忘れさせまいと、雨のたびに青を濃くしているかのように」


 土が、記憶している。

 その言葉が、私の心に小さな棘となって深く刺さった。


 私は住職に一礼し、まるで何かに導かれるように、境内の奥へと足を進めた。小径を抜けると、ひときわ空気が湿り、苔の匂いが濃くなる。

 そして、そこに彼はいた。

 古い井戸の縁に腰掛け、足元に咲く、ひときわ色の濃い青紫陽花を、じっと見つめていた。雨に濡れた彼の髪が、額に張り付いている。

 私が近づくのに気づくと、ハルはゆっくりと顔を上げた。

「……また、来てくれたんだね」

 その声には、安堵の色が滲んでいた。

「あなたは、誰なの」

 私の問いに、彼は答えなかった。代わりに、井戸のそばにある古びたブランコを指さした。雨に濡れて、錆び付いた鎖が軋む音が聞こえそうだ。

「ユキ姉、覚えてる? ここでいつも遊んだじゃん。俺が『もっと高く押して』って言うと、ユキ姉、いつも『危ないからダメ』って言いながら、ちょっとだけ強く押してくれた」

 ブランコ。錆びた鎖。高い梢。

 断片的なイメージが、激しい頭痛と共に脳裏をよぎる。幼い自分の笑い声と、それよりもっと高い、別の誰かの歓声。

「やめて……」

「このラムネも、ユキ姉が好きだったやつ。二人で半分こして飲んだよね」

 ハルはどこからか、懐かしい形のラムネの瓶を取り出して見せた。ビー玉がカラリと鳴る音。その音を聞いた瞬間、夏の夕暮れの匂いと、線香花火の儚い光が、記憶の隙間から溢れ出しそうになった。

「やめてって言ってるでしょ!」

 私は叫んでいた。耳を塞ぎ、その場にうずくまる。思い出したくない。知ってしまったら、今の私ではいられなくなる。心の穴が、未知の感情で満たされて、張り裂けてしまう。

「どうして、俺のこと忘れちゃったの……? 俺、ずっと待ってたのに」

 ハルの声が、悲しげに震えていた。

 その声に突き動かされるように顔を上げると、彼の瞳から、一筋の雫がこぼれ落ちた。それは雨粒なのか、それとも涙なのか。私には、わからなかった。

 その顔を見て、私は初めて、逃げるのではなく、彼と向き合わなければならないのだと悟った。この痛みから目を背けている限り、私の時間は永遠に止まったままだ。


「……わかった。あなたの言うこと、聞くから」

 覚悟、と呼ぶにはあまりに脆い決意だった。けれど、そう口にすると、ハルは初めて心から笑った気がした。

「うん。じゃあ、行こう。俺たちの秘密基地へ」

 彼はそう言って、井戸の周りに咲き誇る、あの深い青紫陽花を指さした。


「どうして、ここの花だけこんなに青いの?」

 私は、住職の言葉を思い出しながら尋ねた。

 ハルは、愛おしむようにその花弁に触れた。

「俺がずっと、ここでユキ姉を待ってたからだよ。俺の気持ちが、土に染みちゃったんだ。ユキ姉が俺のこと、思い出してくれますようにって。悲しい気持ちは、土を酸っぱくするんだって。だから、毎年、毎年、ここの花だけ青くなる」


 悲しい気持ちが、土を酸っぱくする。

 その、あまりにも子供らしい、あまりにも切ない理屈。

 それが、最後の引き金だった。


 錆び付いた記憶の扉が、凄まじい轟音を立ててこじ開けられる。

 土砂降りの雨。濡れた石の滑る感触。ラムネの甘ったるい匂い。

「もういいかい!」と叫ぶ、幼い自分の声。

「まあだだよ!」と返す、甲高い声。

 かくれんぼ。鬼は私。隠れるのが下手な弟。いつもすぐに見つかるくせに、その日に限って、声がしない。

 井戸の縁に残された、小さなサンダルの片方。

 恐る恐る中を覗き込む。

 水面に広がる、たった一度の、残酷なほど静かな波紋。

 そして、そこに浮かぶ、見慣れた麦わら帽子。


 世界から、音が消えた。

 色も、匂いも、感情も。すべてが灰色のノイズに呑み込まれ、私の心は冷たい石のように、静かに、深く、沈んでいった。


 奔流のように蘇った記憶が、私という存在を根こそぎ洗い流していく。忘却というダムが決壊し、剥き出しになった心が、耐えきれないほどの罪悪感と悲しみに押し潰される。

「……ごめん」

 喉から絞り出した声は、嗚咽に変わった。

「ハル……ごめん……ごめんなさい……!」

 膝から崩れ落ち、私は土に額をこすりつけた。止めどなく涙が溢れ、雨と混じって泥水になる。そんな私の前に、ハルがそっとしゃがみ込んだ。その顔は、泣き出しそうに歪んでいるのに、なぜか、とても穏やかに笑っていた。


「ううん。……俺、ずっと寂しかった。ユキ姉だけ、俺のこと忘れちゃって。世界中で、一人ぼっちになったみたいだった」

 彼の声は、静かな告白だった。

「なんで俺だけ、って、少しだけ、ユキ姉のこと、恨んだりもしたよ。……でも、毎年ここに来てくれるじゃん。何も覚えてない顔で、この花を見て、泣きそうな顔するの。それ見てたら、ああ、ユキ姉も寂しいんだなって。俺と、同じなんだなって。だから、もういいんだ」


 その言葉が、どんな謝罪の言葉よりも深く、私の胸を抉った。彼はただ、赦されるのを待っていたのではない。同じ寂しさを抱える私を、彼もまた、ずっと見守り続けてくれていたのだ。

 彼の指先が、私の頬にそっと触れる。触れたはずなのに、そこには雨粒の冷たさしか感じなかった。見上げると、ハルの身体が、陽炎のように揺らめき、少しずつ透き通っていくのが見えた。

「あ……いやだ、行かないで……! やっと、思い出せたのに……!」

 私は必死に手を伸ばす。けれど、その指は虚しく空を切るだけ。


「大丈夫。俺、ずっとユキ姉の中にいるから。忘れてた時も、ずっと一緒だったんだよ。だから、もう泣かないで」


 良いとか、悪いとか、そういうことじゃない。ただ、会いたかった。ただ、忘れないでほしかった。彼の瞳が、そう語りかけていた。罪を赦すのではなく、ただ、かつてあった温かい時間を、絆を、取り戻したかっただけなのだ。


「やっと、かくれんぼ、終わりだね」

 ハルは最後の力で微笑んで、青い紫陽花の花叢を指さした。


「……俺の、勝ちだね」


 その言葉を最後に、彼の姿は完全に光となり、雨に濡れる紫陽花の中へ、吸い込まれるように溶けて消えていった。


 あとには、降りしきる雨の音と、私の泣き声だけが残された。

 何年分もの涙だった。ずっと忘れていた弟のために、私は初めて、声を上げて泣いた。胸の穴を塞いでいた冷たい蓋が、熱い涙で溶けていく。痛みと共に、そこには確かに、弟がいたという温かい記憶が、静かに満ちてきた。


 ◇


 数日後、私は実家の玄関の前に立っていた。

 インターホンを押す指が、わずかに震える。ドアが開くと、そこには驚いた顔の母がいた。私の顔を見るなり、母の目に涙が浮かんだ。

 リビングに通されると、そこには父もいた。テーブルの上には、埃をかぶった古いアルバムが置かれていた。

「……思い出したの」

 母が、震える声で尋ねた。

 私は、静かに頷いた。そして、紫陽花寺での出来事を、ハルとの再会を、途切れ途切れに話した。

 私の話が終わると、部屋には重い沈黙が落ちた。やがて、父が口を開いた。

「……すまなかった、ユキ。お前があまりに辛そうだったから……いっそ、忘れてしまった方が幸せなんじゃないかと、私たちは……」

「ハルの話をすることは、この家では禁句になった。お互いに、傷つけ合うのが怖かったのよ……」

 母が、嗚咽を漏らす。

 それは、私だけが忘れていたのではなかった。家族全員が、ハルの死という現実から目を背け、それぞれの心に鍵をかけて生きてきたのだ。

 アルバムを開くと、そこには日に焼けて笑うハルと、少しだけお姉さんぶって彼の隣に立つ、幼い私がいた。どの写真も、幸せそうに笑っている。私たちは、その一枚一枚をめくりながら、初めて、家族三人でハルの思い出を語り合った。泣きながら、時には笑いながら。凍りついていた家族の時間が、ゆっくりと、本当にゆっくりと、溶け始めていくのを感じた。


 私の部屋の窓辺には今、一輪の青い紫陽花が飾られている。あの日、寺の帰りに花屋で買ったものだ。

 雨上がりの光が、その花弁を優しく照らしていた。


 もう、私は紫陽花を追いかけることはないだろう。

 失くした弟との絆と、家族の温もりをこの胸に抱いて、これからは、紫陽花と静かに生きていく。


 来年の梅雨には、父さんと母さんを連れて、三人であのお寺を訪ねてみよう。

 そして、土に染みた悲しみが育んだ、世界でいちばん綺麗な青に、今度は「ありがとう」と伝えよう。

 その時、私の横顔に浮かぶ微笑みが、ほんの少しでも、誇らしいものでありますようにと、ただ、そう願った。

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