そう言えば
今はトール達の話を聞き終わり、これからどう行動するかを考えている場面だ。
「トール達って明日から学校?」
「うん、そうだよ。もしかしてケイ達も?」
「そうだ。学校行くのにこんな時間がかかるとは、まあ思ってもいなかったけどな」
「…ごめん」
謝ってほしいわけじゃなくて、単なる想定外だったと言う話だったんだが…俺の言い方的にそう聞こえちゃうか。
「いや、俺の言い方が悪かった。トールに当たってるわけじゃないんだ」
「それでも、僕は君達に謝らなければ気が収まらないよ…」
流石主人公だな。ゴミみてえな奴じゃなくて良かった。そんな奴のループに巻き込まれてたなら全力で殴りに行ってたわ。俺のためにも、アルのためにも…な。
「まあ明日から学校だし、取り敢えず飯食べないか?」
「私達はこの宿の客じゃないから食べれないわね…どこかの店で食べてきてからまたここに集合しようか?」
それもありだが…そう言えば、学校の入学式って間に合わなかったらどうなんだ?
「いや、集合は明日の朝にしよう。夜更かしして寝過ごすと、入学式に間に合わないかもしれないからな」
「わかったよ。で、どこに集まるの?」
「え?そっちが決めても良いんだが…まあ街にあった噴水辺りで良いだろ。それで良いか?」
噴水は、大体この宿と学校の間くらいの場所にある。まあ学校に向かえば自然と視界に入る場所だ。
「うん。場所もわかるよ」
「じゃ解散ってことで」
「って僕達、宿まだとってないんだった…ねえどうしよう。サナ」
なに?前回のループの時もそうだったのかな?でも結構宿の部屋って空いてたよなぁ…。
「…そう言えば、そうだったね。うーんこの宿に余った部屋があるなら良いんだけど…」
「そう言えば、ループ前はどこに泊まってたんだ?」
「…君達の部屋だよ」
へ?じゃああの刃物男が居るところに泊まってしまったのか…。なんと言う偶然だよ。
「おおう…だからあの時あんなに必死だったのか」
「まさか、ループ前後で行動が変わった人が居るとは思っていなかったから驚いたよ」
「…まあこの宿に泊まってけ。結構空いてたからな。ってなると集合場所もこの部屋で良くなるな」
「ん?そう言えば、ケイはどこの部屋に泊まるの?」
え?そりゃあ…
「この部…屋?」
「なんで疑問系?」
「うわっ!びっくりさせんなよ。ってか今まで黙ってたじゃねえか!」
今まで台詞の無かったアルが喋ったせいで。少し心臓の鼓動が速くなった。
「ケイはこの部屋に泊めるよ。お金とかあまり無いし、それに…私が一緒に寝たいから」
「え?君達付き合って…
「無いです」
「まだ…ね?」
馬車の中にいたアルはどこに行ったんだか…まあ調子が戻ったと思えば良いことか。
「えっ、えっ、じゃあさじゃあさ…」
「うん。相思相愛」
「おい」
「あはは…」
そんなこんなで、少しドタバタした1日が終わった。
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