影日向くんは引きこもり

縞間かおる

第1話 あっ! 主人公は私です!!


 一ノ瀬杏のイメージ画


 https://kakuyomu.jp/users/kurosirokaede/news/16818792436167121274




 真業司奏のイメージ画


 https://kakuyomu.jp/users/kurosirokaede/news/16818792435494932537




 吉井花織のイメージ画


 https://kakuyomu.jp/users/kurosirokaede/news/16818792435495051230




 いずれ差し替え予定です<m(__)m>



 では、始まります!



 ◇◇◇◇◇◇






 もう何回スヌーズが鳴っただろう。


 私 一ノ瀬杏いちのせあんずの朝は早かった。前はね

 今は御覧の通り、ダラダラ起きだ。


 朝はまだ 寒いなあ~

 私は熱量高めなひとなのだけど

 ミノムシのように布団ごとズルズルと這い出る。


『杏~!いい加減起きなさい~』

 ドアの外のお母さんの声に

「ふわぁ~い」と答える。


 んにゃ!確かにチト時間が経ち過ぎだ。


 仕方ないのでから抜け出して

 キャラクターTシャツを脱ぎ捨てると

 制服用のブラタンクトップをスポンと被る。

 パジャマ代わりの“アジダスバッタ物”のサッカーパンツは、そのままでいいや。

 ブラウスにリボン

 で、スカート!

 私はウェストを内側に折って丈を短くするとか面倒な事はしない。それとハイソックスのほうが居心地がいい。

 後はベストとブレザーで、自転車の爆走にも厳しい『エロ学』の校則にも『OK対応』だ!


 おっと!脱ぎ捨てたTシャツをリフトアップでキャッチし、布団もシュートしてゴールイン!

 これにて出陣!!

 部屋を出よう!


 ◇◇◇◇◇◇


「お父さんは?」

「もうとっくに出かけたわよ。あなたが起きるの遅くなったの!」

 お父さんはサラリーマンだ。中間管理職ってやつ。

 面と向かっては言えないけど、毎日、本当にありがとう

 お母さんからは「ハゲないように気を付けて」なんて言われているけど、娘としては、ハゲたらスキンヘッドを提案します(笑)

 なんてニマニマしていると……


「杏~! また寝ぐせ!」と言われてしまう。

「仕方ないじゃん!長さが中途半端だもん」


 お母さんに髪のばしたらと言われて、まあ、やってるんだけど……なんだかねえ~

 フィールドで年中焼き続けた手足の色も全然さめないし。

 可愛げゼロですわ!

 お母さんは残念そうな顔で私を見るけど、

 申し訳ない。アナタの娘は美人なアナタには似なかったようです。


 あきらめ顔になったお母さんは逆にひとこと謝った。

「ごめんね~今日お弁当作れなかったの。ちょっと仕事が煮詰まってて、キャラの表情がいまいち決まらないのよ」

 お母さんは主婦業なんだけどアルバイトでイラストの仕事もしている。しかもちょっとエッチなやつ。

 昔の付き合いで仕事が回ってくるそうだ。


 お母さんは昔、コミケで荒稼ぎしていたという。


 なんでも「画力とビジュアルで私の右に出る者はいない!」って勢いだったらしい。


 実際、今住んでいるマンションも新築を即金でポン買いした。


 一度、うっかりお母さんの部屋を開けた時、すごい下着姿のすごいポーズの自分の姿を模写してて 二人同時に「ギャッ!!」と叫んでしまったけど……

「脱いでもすごかった」今でも……


 なんてこと考えてたらホントに時間が無くなった。

 私はマンションのエレベーターを飛び出ると駐輪場へ向かい、マッハでスタンドを蹴り上げて漕ぎ出した。


 下はサッカーパンツなので立ち漕ぎでもなんでもできるけど、スカートの裾を巻き込みそうになって、スカートを短くする手間とどちらがいいのか頭の片隅で考えながら自転車をすっ飛ばした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る