ブルーブリッジ

@amechelly

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木曜日の午後6時、


駅前のカフェ"No.5(ナンバーファイブ)"は

今日も人で溢れていた。






カウンター越しの女子高生。


レジを打ちながら、彼女が手に持っていた財布のロゴと、小さな傷がいくつもついた自分の手を見比べた。






私には縁がない、ブランドものの財布。



年齢に相応しくないとすら思う、

ブランドものの財布。



これだけ働いても買えない、

ブランドものの財布。







「(別にいいけど)」






女子高生にカフェラテを二つ手渡して、

次のお客さんに手を挙げた。










何度目だろう、何かを諦めるのは。




まあいいや、って思うたびに

ちょっとだけ満たされた。




別にいいけど、って思うと

平気なフリができた。




願っても叶わらないなら、

はじめから望まなければいい。




期待しなければいい。




周りの大人も、教師も、みんな


いて欲しい時にいてくれない。




声をあげても、


助けてくれない。





方法はこれしかなかったのに


願えば願うほど遠のいていった。





理由を見つけて


言い訳を探して




諦めた。





そうすれば楽になれる。



何度だってそうしてきた。







もう、期待しない。
























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