episode 0 始まりの場所

───夢を見ていた。


普通の人生ってものに。

優しい両親がいて。

毎日温かいご飯が食べられて。

キレイな服を着て。


食卓は笑顔で溢れていて。

些細なことでも大げさに褒めてくれて。


───確かにあったはずなんだ。


そんな日常が。

どこにでもあるはずの日常が。

何年、何百年と繰り返されてきた日常が。


───でも、夢だったんだ。


夢は寝ている時に見るもの。

いつかは覚めるもの。

始まる日常は、


"日常"なのか───

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