第2話 別ミッション発生オーストラリア、パール登場

 結局、シトリンとタイガーは体型を変えて、カップルとしてリマ空港に向かった。


「翡翠。俺はブエノスアイレスに向かう。車を調達してロングランだ」

「了解、サファイア。よろしく頼む。今日は仲間がやって来る。もしかすると別方面になるかも知れない」

「あぁ大丈夫、シトリンとタイガーが同じミッション。連絡を取り合いながら進める」


 シトリンとタイガーの2人は成田空港へ。サファイアは羽田からの空路を選択した。


 3人を送り出した翡翠。そして東京のアジト、翡翠はメンバーズルームで来たるメンバーを待っていた。


 備わっているモニターやパソコンを使いメンバー全員との通信が可能。

そこへメンバー待ちの翡翠にゴッドからの通信が入った。


『翡翠か。ということは3人でアンデスに向かったのかな?』

「はい。私はパールを待って行動を決めようかと」

『それなんだが、先程、スティーラーズに動きがあった。南米とは別に、オーストラリアに向かう集団がある。オパール狙いだ』

「オーストラリア⁉」

『うむ。クイーンズランド州、オパールの産地ではあるが、パワーを持つオパールが存在するかは定かではない。……が、スティーラーズの行動を監視、パワーオパールを見付けたら奴らに渡してはならぬ。更には守護者を仲間にする事』


 そこへパールが入ってきた。


「久しぶり、翡翠。急な連絡だったけど、私も同じ日本人。ここに来るのはワケないわ。あら、ゴッド。お久しぶりです」


 ストーンズメンバーパール。日本人女性。パワーパールの守護者。真珠で有名な伊勢志摩を故郷とする女性。多彩な知識と情報操作はスティーラーズの要だ。年齢不詳だが、翡翠と日本語で会話する姿を見るにまだ若い。


『翡翠。パールと共にオーストラリアに向かってくれ。それから1つ確認してほしいのだが、クイーンズランド州の産業博物館のオパールをチェックしてほしい。世界最大のオパールが展示されている。パワーストーンかどうかを確認し、連絡を待つ』


 ストーンのパワーチェッカーは、ゴッドが開発したらしく、セキュリティーで覆われたストーンでもパワー計測が可能。メンバーが持つ衛星電話に内蔵されていて、アプリで起動する。接近しないと測定できないのが難点。


「分かりました。南米とは別行動になりますが、向かいます」


 翡翠の横に座るパール。

「オーストラリアかぁ。支度してきます。私、観光したいなぁ……」

「パール。それは時間が出来たらだ。……ゴッド。夜になったらクォーツがここに戻ります。ルビーはブラッドのチームにまもなく合流のようです」

『うむ。他のメンバーは?古の書物の捜索は進んでいるのかな?』

「はい。ラピス、マリンがインドに滞在中。エミリーとムーンがチベットから移動中。アクアがドイツのアジトから休暇を取り地元ベトナムへ。それぞれ現在、次のミッション待ち。ブラッドとアメジーがオーストラリアで捜索中です」

『イギリス方面はどうした?奴らが目を付けそうだが……』

「現在、奴らは南半球を行動の中心にしていると思われます。北半球に移動するまでには時間が掛かると思われますので、我々も奴らのマークを中心に行動するべきかと」

『了解した。北半球諸国は私がマークしよう』

「では出発の準備を……」


 翡翠とパールはメンバーズルームを出ていった。

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