ドリームマスターの危ない恋
奈良まさや
第1話
『ドリームマスターの危ない恋』
第1章:片想いと悪魔の契約
高校1年の田中光輝は、クラスメイトの山崎奈緒子に長く片想いしていた。奈緒子は光輝にとって、まるで太陽のような存在だった。
中学1年の春、教科書を忘れたときに、何気なく机を寄せて見せてくれた——それがすべての始まりだった。
以来、光輝は奈緒子の家の前を“偶然”通りがかるなど、ストーカーまがいの行動を繰り返していた。まともに会話したのは、中2の春に犬の散歩中に出会った10分ほどだけ。その一瞬を、光輝は3ページにわたって日記に書き残している。
だがある日、彼女が目指す高校が、自分とはまったく違う進学校だと知る。偏差値差は30近く。光輝は深い絶望に沈んだ。
そんなある夜、部屋の隅に放置されていたオカルト雑誌を開いた光輝は、冗談半分で「恋愛成就の悪魔召喚術」を試す。すると、目の前に身長30センチ、スーツ姿の悪魔が現れた。
「契約者ご指名、ありがとうニャ。名前はサタニャン」
サタニャンが持ちかけてきたのは、“夢”を通して相手の心を動かす魔法サービス『ドリームマスター』。使えるのは5回。代償は寿命10年分。
「ただいまキャンペーン中。魂は取らないニャ」
迷った末に、光輝は契約する。
「このままじゃ、後悔しか残らない。だったら——夢に賭けてみる!」
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