第7話
瑠生は一人暮しになって、寂しいとは思うものの、匠がいてくれることが唯一の励みになった。匠から「一緒に住むか?」と提案されたけれど、瑠生は強がって「一人でもへっちゃらだよ」と答えた。その後すぐに、そう言ってしまったことを後悔したけれど…。
その匠の紹介で、瑠生は山下公園の近くのジャズバー、サンセットでサックスを吹いている。
寂しさは、匠がそばにいてくれることで癒されて、いつしかそんな孤独感など消えていた。妹とは離れたけれど、それでもずっと夢だった匠がそばにいてくれる。だからその後もそれなりに楽しい毎日となっていった。
*
瑠生はサンセットのカウンターで、ジントニックを飲んでいた。
バンドのメンバーのモウリとアキさんは、カウンターの内側でピアノやベースの弦を調音しながら、微笑んで瑠生の愚痴を聞いてくれている。
「ほんとムカつくんだよ。こないだだって、あたしがチャリでぶつかった女子高生が事務所に乗り込んできて、彼氏の浮気相手を調べてくれなきゃ訴えるだの怒鳴り散らしてさー。しかもボス、自分でその話し受けといて、結局あたしに全部やらせるんだよ。自分の尻拭いは自分でやれとか言って。その女、ボスの前では女の顔すんだよ。あの猫撫で声。気色悪い」
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