第6話 新クラス

私の特訓の為にまずは碧の能力について教えてもらった。

碧「私の能力は『憑依』。この能力は私の家系に代々伝わる能力で10種類の妖怪を憑依させることで、その力を使うことができるんだ。九尾もそのうちの1つなんだけど、今のところ九尾しか憑依させられないんだよね。」

咲「へー。何か難しそうだね。」

冬季「妖怪を憑依させるのに条件とかあるの?」

碧「いや条件は無いけど、憑依させるってなると体に負荷がかかるの。使っていけばいくほど耐性がつくんだけど、今の私だと九尾の負荷しか耐えられないの。」

冬季「なるほど。使えば使うほど成長する能力か。」

碧「じゃあ、憑依させるね。憑依、九尾の狐」

その時、碧を炎が覆い碧の姿が変化した。

冬季「へー。姿も憑依した妖怪によって変わるんだ。」

碧「うん。そして、これが炎」

そういうと碧はあのときの様に炎を周りに出した。

咲「改めて見るとすごいね。」

碧「コツは大きさと形をはっきりイメージするといいよ。」

咲「イメージか。」

確か血液操作の時とこんな風にイメージしてたな。

形と、大きさをイメージ...

咲「えい!」

その瞬間、私の周りに小さい球体の形をした血がいくつもできた。

咲「おお、これでいいかな?」

碧「うんいいんじゃない?試しに試験の時みたいに色んな形に変えてみてよ。」

咲「わかった!」

そうして私は出てきた血液を操作して、矢の形にしてみた。

咲「おお、問題なく操作できる!」

碧「うん!いい感じ。あとは慣れていければいいと思うよ。」

咲「ありがとう!課題が1つ解消されたよ!」

ベルザ「凄いですね、今のが出来ればもうほとんど血液操作の力を発揮できたと言っていいですよ。」

咲「ほんと?やった!」

ベルザ「ええ、あとは碧さんも言ってた通り、慣れていければいいと思います。あとは体内と体外で並行してできるようになれば完全に力を発揮できたと言っていいでしょう。」

咲「なるほどね。よし!どんどん練習して慣れていこう!」

こうして、1つの課題が解消された私は次の目標のために頑張るのだった。



そして、ついに入学の日がやってきた。

咲「ああああああああぁぁぁ」

ベルザ「なんかデジャブを感じます。」

どうしてこう特別な日に限って私はこんなに緊張するのだろうか。

教師「クラス表はこちらでーす。」

その声を聞いた私は早速その方向へ向かった。

咲「どれどれ?私のクラスはどうなってるのかな?」

私の所属は...Cクラスか。

碧「咲ー!」

後ろから碧の声が聞こえた。

咲「碧!クラスどこだった?」

碧「Cだったよ。咲もそうなの?」

咲「うん。良かった、同じクラスになれて。」

冬季「よ、お二人さん。」

咲「あ、冬季。冬季はどこだった?」

冬季「俺はAだったよ。クラスが離れちまった。」

碧「あらら、残念。」

冬季「にしてもこのクラス、どういうふうに決められてるんだろうな?」

咲「さあ?」

そんな会話をしていると、私たちの方に向かってくる人がいた。

試験官「おーい!3人とも。ようこそ我が『凛華高校』へ!」

碧「あ、試験官さん」

試験官「もう試験官じゃないよ。俺の名前は当麻源(とうまげん)だ。よろしくな。」

咲「はい!よろしくお願いします!ところで、クラス分けって何か基準とかあるんですか?」

源「このクラス分けはな、その者の能力や身体能力。そして、実際に行った試験のデータを参考にして決められている。」

碧「ってなると、クラス同士の格差があるわけですね。」

源「そうだな。ただCだからといって落ち込むことは無い。今回はどのクラスのやつもレベルが高くてな。本来はAクラスに行くようなやつもBやCにいたりするんだ。」

そんな中でAになった冬季ってすごいんだな。私達は見てなかったけど、試験の時どんな戦いをしてたんだろ。

冬季「そういえば、この端にある『ギフテッドクラス』ってのはなんです?」

源「ああ、それはな」

放送「まもなく、入学式が始まります。生徒と保護者の方々、教員は体育館に集まってくだい。」

と、割り込むように放送がながれた

源「おっと、もうそんな時間だったか。お前らも行かないと怒られるぞ。」

咲「そうですね。行こう、2人とも。」

そう言って私達は体育館へと向かった。




碧「あー話長かったー。」

咲「あんま思っててもそんなこと言わない方がいいよ?」

始業式が終わり、私達は各々自分のクラスへと向かっていった。

咲「ここがCクラスね。」

ドアを開けると、既に何人か来ていた。これからぞろぞろ来るだろう。

咲「まだ時間もあるし、少し学校を見て回らない?」

碧「いいね!そうしようか。」

そうして、私達は廊下を歩き回って学校内を散策していた。

咲「冬季は今頃友達作れてるかな?」

碧「いや、無理でしょ。あいつ初対面とはまともに話せないもん。」

そんな会話をしていた時、

?「キャー!」

謎の叫び声が聞こえた。

碧「何今の?」

咲「とにかく行ってみよう。」

私達は叫び声の方へ向かっていった。すると、そこには1人の女子生徒が他の女子生徒から暴行を受けていた。

碧「何してるの!」

碧が真っ先ににその子たちの間に割って入る。

?「あんた何?邪魔だからどいてくんない?」

碧「あなた達こそ入学早々何してるの!」

?「うるさいわね。Cクラスのやつをどうしようと勝手でしょう?あんな落ちこぼれクラスにいるやつなんて。」

碧「なんですって!」

碧が怒りの感情を見せる。

?「まさか、私とやるって言うの?私はあの九重財閥の娘である九重知鶴(ここのえちづる)様よ!」

九重知鶴。聞いたことがある。今回試験を受けた生徒の中で最も多くのポイントを所持して合格したって噂だ。

碧「あなたが誰だろうと知らないよ!とにかく、これ以上暴行をするなら私が許さない。」

碧はいじめに関しては誰よりも厳しい。

知鶴「何あなた、ムカつくわ。まぁでも、そんな落ちこぼれを庇うならあなたも落ちこぼれなんでしょ?」

碧「なんですって」

知鶴「まぁせいぜい落ちこぼれ同士で頑張ってね。」

そう言って彼女は去っていった。

咲「大丈夫?あなた。」

?「は、はい。ありがとうございました。」

私は、碧が言い合ってる間にその子を助け出し落ち着かせていた。

咲「私、Cクラスの柊咲、こっちの子が」

碧「仙石碧よ。よろしくね。」

?「わ、私は美澄雫(みすみしずく)と言います。よろしくお願いします!」

こうして、入学早々私たちに友達ができたのでした。

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