Phase 02 ターボばあちゃん捕獲作戦

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 翌日。あたしは珠希さんから「ターボばあちゃん」に関する報告を聞いた。


***


 岡野さんたちに言われた通り、私はターボばあちゃんが現れる時間帯――大体午前1時ぐらい――を狙ってスマホのカメラを窓際にかざしていました。


 もちろん、静止画じゃブレブレになってしまうだけだから、動画として残そうと考えました。そうしたら、録画をしているさなかに「何か」が横切っていきました。私は「何か」が完全に横切ったことを確認して録画停止ボタンを押して、スマホの画面を見ました。


 スマホの画面には、確かに――老婆のようなモノが横切っていました。これは、岡野さんたちが言っていた「ターボばあちゃん」で間違いありません。


 しかし、どうしてこんな夜中に老婆が横切っていくんでしょうか? お年寄りは朝が早い分、夜も早いと聞きます。


 一応、私は美術部に在籍していますので、クロッキーに件の老婆をスケッチしました。老婆はどこにでもいるようなおばあちゃんで、なおかつ足は速い。見てくれは「山姥」という妖怪に似ています。――まあ、私から言えるところはこんなところでしょうか。


***


「なるほどなぁ。クロッキーにスケッチした絵も併せて見させてもらったが、確かにこの見た目は『ターボばあちゃん』で間違いないな」


 遥斗くんは、珠希さんの証言を聞いてそう言った。確かに、あたしも珠希さんの証言を聞く限り99パーセントの確率であの怪異は「ターボばあちゃん」で間違いないと思う。でも、どうしてあんな時間におばあちゃんが市民病院の裏山を走っていたのかまでは分からずじまいだった。


 あたしは話す。


「珠希さんの手がかりはかなり参考になったわ。これは間違いなく『ターボばあちゃん』だけど……どうやって彼女? を捕獲するかだわね。走り回ってるのは深夜帯だし、あたしたちだけじゃどうにもならないわよ」


 あたしがそう言ったところで、遥斗くんは提案を持ちかけてきた。


「そうだな……金曜日か土曜日の深夜なら、辛うじて捕獲出来るかもしれない。ただ、僕は彼女を『捕獲』することに対して懐疑的だな。そこは赤崎さんの判断に任せるよ」


 遥斗くんの提案に対して、珠希さんは答えていく。


「――私、考えたんです。もしかしたら『ターボばあちゃん』は学校の裏山でも走っているんじゃないかって思って」


 珠希さんがそう言ったところで、遥斗くんは納得した。


「ああ、確かに。市民病院と成岡学園はほぼ同じ山で繋がっているな。ならば、どこかのタイミングでターボばあちゃんが学校の裏山に現れる可能性も考えられる。そうと決まれば、今日の放課後にでも裏山に登ってみようか」


 もちろん、あたしの答えは言うまでもない。


「あたしは賛成よ。礼子ちゃんはどう?」

「私も、志穂里がそう言うなら賛成したいと思う」


 2人の意見が揃ったところで、遥斗くんは話す。


「それじゃあ、今日の放課後……裏山に登るぞ。もちろん、体操服は用意しておくように。ズボンは長ズボンの方が良いだろう。葉っぱでかぶれる可能性も考えられるからな」


 そういうわけで、あたしたちは学校の裏山から「ターボばあちゃん」の捕獲に挑むことになった。――多分、これで良かったんだと思う。

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