『トッピとプップの夢ぼうけん』~おとうさんの思い出の村を助けて!

羅門祐人

第1話 お話のはじまり



 ここにトッピという名前なまえの、小学3年生くらいの男の子がいます。


 そしてトッピのよこには、どうぶつがすわっています。

 ちいさなネコほどの大きさの、ブタによくにたどうぶつ。


 そのどうぶつには、プップという名前なまえがつけられています。

 プップは、バクというふしぎな生きものの、なかまです。


 バクといっても、ふつうのバクではありません。

 どうぶつえんのおりの中にいるバクとは、まるでちがいます。


 プップは、【ばく】というむずかしい字のどうぶつなのです。


 中国ちゅうごくのふるいおはなしにでてくる、ゆめをたべてしまう生きもの。それがばくです。


 だからプップも、ふしぎな力をもっています。

 わるい夢をたべて、い夢にえてしまうのです。


 もちろんトッピも、ただの男の子ではありません。

 トッピは、夢使ゆめつかいいの『みならい』なのです。


 トッピは、夢のくににあるドリム王国おうこくという所からやってきました。


 夢の国には、ドリム王国とレム帝国ていこくがあります。

 ドリム王国は、人間にんげんに良い夢を見せてくれます。


 たのしい夢や、うつくしい夢。

 みんなドリム王国にすむ、妖精ようせいたちが見せてくれるのです。


 はんたいにレム帝国ていこくは、こわい悪夢あくむばかりを見せます。

 いろいろなおばけや、ゆうれいを、夢にしのびこませてきます。


 あなたも……。


 夜中よなかにワアッととびおきて。


「ああ、こわかった」と、思ったことがあるでしょう?


 そんな夢はすべて、レム帝国が見せているものなのです。

 てしたの、おばけをつかって。


 ではなぜ、夢の国は、人の夢に、そんなことをするのでしょう。


 それは人の見る夢が、夢の国の力になるから。


 たくさんの人が良い夢を見れば、それはドリム王国がさかえる力になります。


 はんたいに、悪い夢をたくさん見れば、レム帝国が、夢の世界をせいふくすることになってしまうのです。


 レム帝国は、ムーマ皇帝こうていという、いちばんえらい悪者わるものがいます。


 ムーマ皇帝は、人間にんげんの夢の中に、たくさんのばけものをおくりこみます。

 こわい夢を、いっぱい見せる力をもっています。


 トッピのやくめは、このばけものをやっつけることです。

 人に、良い夢を見せてやることなのです。


 そして今日も、トッピはがんばっています。


 夢占ゆめうらないの店【チャイム】。

 ここがトッピの仕事しごとをするところです。


 そして、ある日。

 【チャイム】に、かわいいお客さまがやってきました。


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