第3話 『003 鍛冶師はエルフ族に会う』
『003 鍛冶師はエルフ族に会う』
シュテファンの軍にいた時は、魔物とよく遭遇して戦闘になったもので、人族とも戦闘になったし、ソフィアは戦闘にも適応能力が高いと思われる。
実際にシュテファンからの評価も高かっただろうし、ここまでの徒歩でも100匹は討伐している。
徒歩での移動中は何度も野宿をしていて、魔物が夜中でも来るんで、お互いに交代で寝るようにした。
なるべく国境線から離れたほうがいいのは、国境線付近は魔族が多いと予想するからで、あまり魔族と遭遇したくない理由もあるし、なぜなら俺とソフィアのことを知っている魔族の連中も多くいるだろうから、会いたくはないのがある。
だから国境線からも歩いて魔物と戦闘しながら移動した。
多い魔物はウッドベアーやスライムなども戦闘する。
ソフィアがスライムを切り裂いて、討伐したり、忙しくなる。
そうして知らない森に入っていると、泉を発見して、水分補給は必要なので、泉へと。
「ソフィア、泉がある。水分補給できそうだ」
「飲みましょう」
ソフィアと2人での戦闘と移動も慣れてきて、泉へ近寄った時だった。
泉には人がいて、水中にいたから気づかなかったが、明らかに人であった。
ソフィアも直ぐに察知していて武器を持つと俺も剣を構えると、
「誰だ、私が洗っているのを覗くとは、変態男だな。切ってやる!」
「待て待て、俺は覗きはしてない。信じてくれ」
女だった。
泉で体を洗っている最中だったらしいのを俺とソフィアが来たのを、俺が覗いたと思ったらしく、俺を完全に変態扱いしていて、襲い掛かってきますが、ただ洗っている最中だし、全裸に近いです。
そんな全裸の女性と戦闘するわけにもいかない俺は戦闘の意思はないと女に伝えるも、女は俺の声は届いていないのか、剣を振ってくる。
俺は変態なのは否定しつつ、防御して防ぐも、視線はどうしても裸の方に目線がいってしまうと戦闘になるどころじゃない。
「じゃあ、なぜ泉に来たのだ?」
「俺はこの森は詳しくない。水分補給したかっただけだ。信じて欲しい。戦闘はしたくはない」
「わかった。信じます。私はクロエ。魔物の討伐で森にきていて体を洗っている最中だった。切りかかって悪かった」
「俺はタイチだ。彼女はソフィアといって俺の仲間だ」
「ソフィアです」
「タイチか。見ない顔だ。しかし並みの冒険者じゃないのは、私の剣を受けたからわかる」
「まあな、俺は少しは戦闘経験はある。それとだが、服を着た方がいいのでは、クロエ」
「えっと、あっ、見ないで!」
「いや、俺は見るつもりはないが、クロエが」
名前はクロエという女性の冒険者で、半裸なのを俺が指摘したら、俺が逆に変な目で見られるという結果になってしまい、俺は否定するも、こういう状況では何を言っても男の方が悪いとなるもので、その後に泉から上がり、クロエは衣服を切ると、防御の防具であった。
防具は露出は多いが、女性の防具服はなぜか露出は多めになるのは不思議だが、露出が少ないと動きにくい面もあると聞くが、本当の所は謎だ。
クロエとはお互いに戦闘の意思はないと伝えて安心して、特に不安だったのが変身魔法であり、会って話をしても俺とソフィアが魔族なのは気づいていない感じな点で、会話もしても疑わないから大丈夫そうだ。
いくら自分では人族に変身していても、見る人には正体がバレるかなと不安だったから、一番の不安は消えたのは良くて、クロエはよく見ると人族とは違うのがわかった。
長い耳に金髪の長い髪の毛で、この特徴は人族とは違う種族であってエルフ族だろうと判断できる。
「クロエはエルフ族なのかい?」
「エルフ族です。私はエルフ族で主に単独で冒険者をしている。魔物を討伐して素材などを町に持ち込んで報酬を得ている」
「なるほど報酬を得て生活しているのか」
たぶんだが冒険者ギルドとかの話だろうと予想するのは、魔族には冒険者ギルドはないし、冒険者という職業も存在しなくて、魔王軍での働きで食料を得て暮らしていた。
後は鍛冶師での仕事もあった。
冒険者や冒険者ギルドだと予想できるのは、俺はこの世界に転生する前に日本でファンタジーマンガなどで知識があったからで、クロエが言っているのはソロ冒険者だということなのだろうと思うし、ソロとパーティー冒険者がいるのも理解できる。
パーティーに所属した方が、魔物と戦闘する際には有利な戦いをすることができるも、報酬はその分経ると思う。
「タイチは2人なんですね。この森は初めてですか?」
「うん、初めてだ。クロエに町を案内してもらいたい」
「町は近くにあるわ。教えてあげる。だたタイチは中級者よりも上の冒険者だわ」
「俺が中級者よりも上?」
「だって私の剣を防御したでしょ。あの防御は並みの冒険者ではなかったもの。なんていうか、その、凄い受け方というか、なんか私の中でしびれてしまう気分に」
「しびれてしまう? 何を言っているか?」
しびれてしまうとか、何か変なことを言い出すクロエだが、俺には全く意味がわからないが、クロエはちょっと顔が赤くなっているのを俺は見逃さない。
どうしたのか。
これと似ている光景を俺は知っていて、それはソフィアが俺の鍛冶師スキルを使った時に見せる、あの感じる目で俺を見るときに似ているのだが、まさかクロエもなのか。
「なぜか、わからないけど、タイチの剣術は、私はビンビンに感じてしまうのです」
「はあ? よく言っている意味がわからないが、町を案内を頼む」
「こっちです」
クロエは俺と戦うと興奮してしまう部分がありそうで、ちょっと困った性格なエルフ族みたいなのはあるが、町に案内してもらえるのは俺として大きくて、ここまではずっと野宿生活だったし、宿で寝たいのもあった。
それと鍛冶師スキルを使い鍛冶の生活をするには、町との関係は絶対に必要なのはあり、鍛冶屋をするのは武器や防具を作り販売したり、武器などの壊れたのを修復するのも俺はできるから、それは仕事になると思う。
魔族では魔王軍のそうした鍛冶を活かした特技で暮らしていたので、その鍛冶の経験は活かせるはずだ。
ソフィアと生きていくには魔物を討伐して、魔物を食料にすれば、生きていくのは可能だとわかったものの、それは今の俺の目的と違ってしまうのは、そうやって生きるのではなくて、鍛冶の仕事をして報酬を得たいというのが俺の中にある。
鍛冶の仕事に愛着はあるし、面白い部分があるのもわかってきていて、魔王様や四天王シュテファンの武器の修復もした時は、褒められると嬉しいのがあったからで、なんというか魔族なのに変ではあるが充実感があった。
魔族にも仕事をして充実感があるとは予想外であったが、実際に剣を作って売れると嬉しいのがあり、人族に変身しても同じことがしたいというのが今の俺の願望であって、魔王様から追放された俺にはこれが願望だ。
クロエは俺達を町に案内してくれると親切に対応しているものの、100パーセント信じていいのかと俺の中で疑問も浮かんできていて、なぜかと言うと、もしかしたらクロエという名前も嘘かもしれないし、確証はないし、俺が魔族で人族の姿に変身しているのを隠していることもあり得るわけで、町に案内した瞬間に、人族が俺とソフィアを魔族が変身しているぞと言う可能性もある。
そこは疑ったらきりがないが、完全に信用は無理なのはあるが、クロエにバレる変身魔法なら、どっちにしろ変身魔法はバレるわけで、どうなるかは町に行けば判明するか。
俺が魔族の国を出て最初の正念場になりそうで、不安になるけども、ソフィアを見ると全然気にしてない風に見えるから、余計に不安というか、ソフィアは案外と人を信じやすいのかなとわかった。
俺の方が疑いやすい性格をしているのは、転生前の性格がありそうで、転生しても性格は引き継いでいると思われる。
クロエと出会って町に案内してもらい、到着すると町は結構な規模の大きな町に思えるのは、外壁もあるし、外壁には門番がいて、門番を通らないと町の中に入れない仕組みを取っている。
小さな町なら外壁も門番もないが、町が大きくなると設置されると聞いていて、魔物も入って来れないし、魔族が攻めて来ても防御になるからだろう。
つまりは危険はあるということを表しているのが外壁で、クロエが門番の男と会話をしているのを俺とソフィアは黙って聞いている。
会話の内容は俺とソフィアだろうと伝わるくらい俺を疑って見ているからで、逆に言うと疑われるのはいいことで、魔族だと気づいていない証拠にもなるから。
クロエとは顔見知りらしいが、俺の顔は知らないということで、男が俺に詳しいことを質問してきた。
「この町の人間じゃないな。何をしに来た?」
「俺はタイチ。彼女は仲間でソフィア。別の町から来た。町で鍛冶の仕事をしたいんだ」
「鍛冶師か。冒険者かと思ったが、市場があって、誰でもアイテムを売ったり買ったりはできる場所はある。でも何も持っていないようだが」
「アイテムボックスがある。多少は道具やアイテムがあるんで売りたい」
「クロエとは知り合いなのか?」
「さっき森で知り合った。町を紹介してくれた」
「入っていいぞ」
門番の男と会話をすると、確実に俺に尋問するように話してきて、俺が誰なのかを探っている感じで、俺としてはこの町を軸にして鍛冶の販売や生産をしたいという内容を話すと、納得してくれた。
しかし厳重な町だなというのが率直な感想で、面倒なシステムをしているけど、次回もこんなやり取りを毎回するんだろうかと考えてしまう。
町に入ると俺はクロエから冒険者ギルドについて教えてもらって、行くとギルドはまさに冒険者が揃っていて、熱気というか、活気があるというか、騒がしい空気で、異世界転生ものではおなじみの光景て奴か。
「冒険者ギルドにクロエは来ていて、報酬を得ていると」
「うん、魔物を討伐してから、ギルドに来ると報酬に換金してくれる。タイチは何も知らないのね。鍛冶の仕事をとか言ってたけど」
「俺とソフィアは鍛冶の仕事をしてきた。この町でも鍛冶の仕事が希望だ」
「もったいないな。タイチは強いのに。じゃあ市場に行ってみよう」
俺が鍛冶の仕事を希望というと、不思議そうに見てきて、クロエは俺が剣術が相当に高いレベルにあるのを先ほど知っているから、んぜ冒険者にならないかと思っているのだろう。
俺は四天王の軍でずっと戦闘経験はあるから、冒険者に登録をして、活躍はできないこともないが、今は鍛冶の仕事を優先したいのがある。
クロエに町で市場があるらしく、市場に案内してもらうとし、行ってみると賑やかな市場で、屋台が出ていたりと人も大勢いる。
町に来る前はクロエを疑っていて、俺達を魔族だと教えてだまされるかなと思っていたが、クロエは俺達を市場にも案内してくれ、俺の考えすぎだったようだ。
「わあああ、人がいっぱいいます。これが市場なんですか」
「あら、ソフィアは初めてですか。鍛冶の仕事をするのに初めてとは以外ですが」
「えええっと、まあ、私は鍛冶場にこもっていて外には出ない人だったんです」
「そうなんですよ、ソフィアは職人なんです。俺も職人だから、市場とかは詳しくはない。ちょっと見てみようかな」
「市場は何でも揃っています。食器類から武器まで何でも販売していいのですよ」
「面白いな」
「タイチ様、ネックレスも売っています」
「うん、色んなのが売っているな。俺たちの作ったのが売れるかどうかだ」
「きっと売れます。だって魔王様だって」
「おいソフィア」
「ああ、すみません」
「えっと、魔王様って聞こえたけど、魔王が何か?」
「いや、クロエは気にしなくていい、聞き間違いだよ」
「そうですか」
ソフィアが思わず魔王様に俺の作った武器を売ったりしたことを話しそうになるので、話を止めたが、クロエは魔王様とだけ聞こえたようで不思議に思っている。
直ぐに俺が否定したが、ソフィアには魔王様とか、魔族時代の過去の話は絶対に禁句だと後で注意しておくとしよう。
俺達は魔族なんだというのは秘密だし、絶対にクロエに知られてはいけないわけで、ソフィアは俺に注意されたことで、反省っぽい顔をしているが、困ったもので、その顔がやけに可愛いので、俺も怒るに怒れない。
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