第八章:魔界バトル編

第69話:再会のデモリス

 「あ~~~! 何か微妙に体が重い!」


 神界から人間界に戻って来たジャスティン。

 生まれ故郷のはずなのに、活動しにくい感じがしていた。


 「神気が足りない世界ですからね人間界は」

 「ソレイユ達もこんな感じなのか?」

 「うふふ、ジャスティン様から神気をいただいているので平気です♪」

 「まあ、しばらくすれば持ち直すか」

 「ええ、俗世の気を神気に変換する修行もいたしましょう」

 「ああ、やってやる」


 サンライト王国の王都をソレイユと歩きつつ大聖堂へと向かう。

 宗教施設が神気の回復スポットだとソレイユから聞いたからだ。


 「ああ、空気が違う♪」

 「ええ、神気に満ちてます」

 「あ~~~~、気分が良い~♪」


 勇者の待機所のソファーに寝転がり寛ぐジャスティン。


 「あらあら、寝るならベッドがあちらにありますよ♪」


 ソレイユが待機所のベッドを指し示す。

 勇者が寝泊まりできるよう、ベッドや調理場などが用意されていた。


 「そうだな、戻ったばかりだけど仮眠取るかな?」

 「私が見守っておりますから、どうぞ♪」

 「そう聞くと、ちょっと油断できそうにないから起きてるわ」

 「むわ~~! そうだ、ジャガーになれば抱き枕ですよ♪」

 「うお、そうだよなそれは誘惑に負けそう!」


 ソレイユが顔と手をジャガーの物に変える。

 大きな猫を抱き枕にして眠る、その誘惑は抗いがたかった。


 しかし、突如妙な揺れが起こる。


 「げ、これは世界が揺れた?」

 「ですね、南西部に高い魔力も感知しました!」


 ジャスティン達が異変を感知したと同時にドアが開かれる。


 「勇者様、従神様! 南西の外れに高度な魔力の柱が!」


 待機所のドアを開けて入って来た、白い法衣の中年男性の司祭が叫ぶ。


 「わかった! 直ちに向かうぜ!」

 「行ってまいります!」

 「は、どうかご武運を!」


 ジャスティンとソレイユは司祭に見送られ、待機所を飛び出す。


 「くそ、仮眠もできやしねえ!」

 「安眠を邪魔した輩を倒しましょう!」


 空飛ぶチャリオットを操り、現場へと向かうソレイユとジャスティン。


 「良し、戻って良いぞ♪」

 「ええ、帰って休みなさい♪」


 チャリオットを牽引する赤い馬に優しく命じてから空へ飛び降りる二人。


 着地する間にソレイユと一体化して一気にゴッドフェイス形態に変身。


 「久しぶりだな、デモリス!」

 「一丁ぶちのめさせてもらいますよ!」


 都市の外の平野に着地したジャスティン達。

 そこにいたのは紫の髑髏の魔神騎士、デモリスであった。


 「ほう、鍛えて来たねえ♪ 女神付きなのは癪に障るが良いだろう」

 「結界展開! 取り敢えず、お前を叩きのめす!」


 ドーム状の結界で自分達とデモリスを覆い、勝負を開始する。


 「では神の勇者よ、このデモリス魔神騎士としてお相手しよう♪」


 デモリスの足元に闇が広がり、馬の骨で出来た槍や追加装甲を纏う。


 「行くぜ、ゴッドサンバードソード!」


 巨大な黄金のグレートソードを装備して上段に構える。


 「魔神を食った我が魔力と貴様達の神気、どちらが上かな♪」


 デモリスの構えた馬の骨の槍、穂先である頭蓋骨が口を開けて砲撃。

 漆黒のビームがジャスティン達のゴッドフェイスを襲う。


 「サンバードビーム!」


 ジャスティン達もグレートソードから黄金のビームを放つ。

 光と闇がぶつかり合い爆発して相殺となる。


 「はっはっは♪ 我が槍で死なぬとは流石だ、ならば剣で行こう♪」

 「その兜、叩き割ってやるよ!」


 デモリスがサーベルを右手に装備し、突進!

 ジャスティン達の全身を狙い連続突きを放つ!


 ジャスティン達は剣を突き立て、盾にしジャンプ。


 「ゴッドジャガークロー!」


 相手の背後に回り、両腕に装備した爪付きのガントレットで格闘を挑む。


 「ふん! ぐはっ! く、良いなあ♪」


 デモリスは、ジャスティン達の爪攻撃をサーベルで受けてみたが脇腹を刺された。


 「剣ならまだあるぜ、おら!」


 ソレイユの武器であるノコギリの様な劍を振るい、袈裟斬りに切りつける。


 「く、何だと? この私が押されている?」

 「こっちも神獣食いまくって鍛えて来たんだよ!」


 再びジャンプし、ゴッドサンバードソードを引き抜き装備し直す。


 「そうだな、小僧と女神よ! 良く鍛えた!」


 足元から闇を広げ、f噴き出した汚泥のような魔力を浴びて回復するデモリス。


 「ソレイユ、神気を借りるぜ! ゴッドファイヤーソード!」

 「ぶちかましましょう!」


 ファイヤーソードマンゴッドフェイスとでも言うべきジャスティン達。

 刃に灯すは神聖なる黄金の炎!


 「くう、忌々しい! ならばこちらも魔神剣デストロイ!」


 デモリスもまた足元の闇から白骨の柄を持つ毒々しい紫色の大剣を創部。

 刃からは紫色の瘴気が噴き出す。


 「魔神剣、デスファング!」


 先手はデモリス、大剣を振り上げて下ろし、斬撃を飛ばす。


 「ゴッドファイヤーストーム!」


 ジャスティン達は斜め下に構えた剣を振り回し、黄金の火災旋風を巻き起こす。

 黄金の火災旋風は正気の斬撃を霧散化させ、デモリスへとぶつかりその身を焼く!


 「グワ~~~~! く、これが神の力だと言うのか!」


 火災旋風に捕らわれ浄化の炎でその身を焼かれるデモリス。


 「止めだ、ゴッドファイヤースマッシュ!」


 ジャスティン達のゴッドフェイスは武器を振り上げ突進し、振り下ろす!

 斬るではなく叩き潰す一撃。

 回避も防御もできぬ一撃を受けたデモリスは爆散した。


 ジャスティン達は残心を決めても構えも一体化も解かずにいた。

 魔神騎士も神の勇者と同じように蘇生がある。


 地面に闇が広がり、浮き出て来たのは一人の美女。

 青白い肌に長い紫の髪、頭頂部には黒い山羊の角。

 身に纏うのは黒い騎士鎧。


 「よくぞ私を倒したな、神の勇者よ♪」


 デモリスの素顔であった。


 「それじゃあ、話をしようか?」

 「おっと、その前に君の素顔を見せてくれないか♪」


 ジャスティン達に変身を解くように要求するデモリス。

 顔だけ見せるジャスティン。


 「言っておくが今の俺に呪詛などは効かない、嘘偽りもだ」

 「なるほど、好ましい顔の少年だ♪」

 「嫁なら間に合ってる、増やす気はない」

 「そこは今後の付き合いで変わるだろう♪」


 デモリスとの対話を始めるジャスティン。


 「手を貸せ、俺らとお前らの世界を救うために!」

 「神の勇者が魔神の手を取ると?」

 「ああ、神と魔族と人間の全員が手を組む大仕事の為だ」


 ジャスティンは世界の異常を説明し、炎の神眼を燃やしながら告げる。


 「興味深い、このデモリス・カプリコス汝と友誼を交わそう」

 「ああ、契約はしないがな」

 「残念だ、だが時間はある。 私は友は裏切らないよ♪」


 デモリスと拳を打ち鳴らすジャスティン。

 胡散臭い上に、信用しがたい相手だが。

 魔界との共闘の第一歩はできたのであった。

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