第11話 オ〇ニーは?やりますねぇ
「別に嫌っていうか……驚いただけだ。こんなこと男同士でもあまり話すような内容じゃないし……」
「そ、そうだよね!私も話さないかな……」
(どうしようか……。というか茜さんって今のが初めての自慰行為だと?手馴れた手つきだったように思ったんだが……)
辰馬は、逡巡しながらも茜の訊ねた内容に答えることにした。彼女とは肉体関係もあるのも理由の一つであるが、一番の要因は――茜がチラチラと辰馬の股間を見やって来るからだ。
何度も見て顔を真っ赤にさせ胸の鼓動が大きくるのと同時に顔が赤く染まり始めた。そして、ハァハァと呼吸が次第に速くなる。辰馬の傍にいるだけで勝手に身体が火照り始めていた。
「ハァ……恥ずかしいから他所には話さないでくれよ?」
「う、うん!誰にも話さないよっ!」
(凄い喰い付きようだ……これじゃあ、まるで俺が獲物みたいだな)
茜は興奮のあまり正座している姿から前に身を乗り出しす。今まで以上に目を輝かせて鼻息荒くする。興味津々なのが表情からも容易に伝わる。
「そうだな……基本的に自慰行為はあまりしないな。ボクシングの帰りは、そういう気分になれないしな。だから一日に何回というわけでなくて、週に一回くらいだな」
「えっ、え、えぇ~~!?週一ってこと?」
「そう言っているんだが……」
茜は辰馬の発言に衝撃を受け、前のめりの姿勢から後ろへと倒れそうになるのを両手なんとか支える。彼女は辰馬を見る目が、この世に存在しないものでも見るかのようであった。そして信じられないといった表情のまま数秒間固まってしまう。
「あ、え、えっと……それって一般的なの?」
「いや知らないが……でも基本的に毎日シないだろうな」
「ま、まさか……寿命を縮めちゃうとか?」
「え、いや、縮めないだろうけど……」
「なら、なんでっ!こんなに気持ちいいのに、皆しないなんてどうかしているよっ!」
初めてしたという自慰行為の気持ちよさに感激したのか、今にも熱弁しそうな気迫が彼女から発せられていた。そして辰馬は何故自分が、自慰行為について考えなければならないのかと頭を悩ましていた。学年二位の頭脳でもその答えは見つからなかった。
「……そ、その…あれだ!自慰するためのオカズがないんだよ、きっと……」
「オカズ?オカズってなに?」
「え?」
「もしかして何か食べながらヤると気持ちいいのかな?」
「……本当に知らない?」
「うん、分からない。だって、家の習い事とモデルの仕事で忙しかったし、それに家には使用人もいて一人になるチャンスが中々無くて、恥ずかしいことにこの歳でオナニー処女だったんだよ?」
「……そ、そうですか。それとオカズの事だが‥…あれだ性的興奮を高めるためのイメージのことだな」
辰馬は他人にそれも類まれなる美少女の茜に自慰行為について説明することに羞恥心を覚えて、頬を薄く染めているのに対して、勉強熱心な茜は真剣な表情で聞いていた。
「なるほどね。なら、私もオカズあったよ!」
「そうなのか?」
「うん!私のオカズはねぇ……あ、待って!……やっぱり内緒//」
「……そうか」
「辰馬君!そこは、もっと問い詰めるように迫って来てよ!」
「……俺、茜さんのことが分からなくなってきたよ」
茜は情緒が不安定なのか恥ずかしそうに俯いて頬を染めたかと思えば、今度は辰馬に迫るように要求してくる。しかも、かなりのマジトーンである。辰馬は茜という女性を理解することを既に諦めかけていた。
(俺が茜さんを理解出来る日は、果たして来るのだろうか……)
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