誰もカウンセリングしてない心理カウンセラー

たちばな ももこ

Prologue|癒しは「がんばらない練習」だった

どうしてこんなに、心って疲れるんだろう。

誰かに何かを言われたわけじゃないのに、なんとなく落ち込んだり。

SNSの投稿ひとつで、急に孤独になったり。

楽しかったはずの出来事が、夜になってザワザワしてきたり。


「大丈夫」「気にしない」

そう言い聞かせることが、だんだんうまくなって、

本当の気持ちが置いてけぼりになる。


でも私は、あるときから小さく決めた。

“自分を無視しない”って。


感情を書き出す。

お気に入りの香りを選ぶ。

心が落ち着くものを食べる。

目の前の空や光を、ちゃんと見る。

静かに呼吸する。


誰に見せるわけでもなく、

誰かの正解をなぞるのでもなく、

ただ、わたしがわたしを丁寧に扱ってあげること。


それが、

「癒しって、がんばることじゃないんだ」って気づけた瞬間だった。


このエッセイは、

誰かのために書いたようでいて、

何よりも、自分を救い出すために綴った“手帖”みたいなもの。


同じように、

「どうしてだろう」「つらいな」「でもうまく言えない」

そんな想いを抱えてる人の手に、そっと届きますように。

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