近いと思っていたものは意外に遠くて

そうやっていつも優しく突き放す その腕に何度恋したか知れない

優しさなんて大嫌いなのに

貴方が私に優しくすればするほど 貴方しか見えなくなるのは何故なの

優しさなんて大嫌いなのに

貴方のそれは浮き出るように目について 私の胸を容赦なく締め付ける

優しさなんて大嫌いなのに

貴方は時に優しい一部を私にくれる それは眼差しだとか声だとか掌だとかで

それを貰ってしまった私は 優しくない貴方をもう享受できなくなった

貴方の全てを好きではなくなってしまった


だから

私は優しさなんて大嫌いだったのに

私は貴方が大好きだったのに


私から恋心を奪った貴方を許すことはできないわ

まだ好きだなんて言ってあげない

だけど 精一杯 優しく 突き放してあげる

貴方が私を忘れられないように


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