第24話 幕間(中)

ふぅ〜…ようやく抱えていた案件が落ち着いたよ…

第二階級陰陽師は数が少ないから、どんどん仕事を任せられるんだよね…

育休取るのに3年かかるとか…ブラックだわ…

ん〜!やっと家族3人で過ごせるよ〜!


まぁ…要請があれば怪の元に駆け付けないといけないけど…


同僚達よ!なるべく僕を呼ぶな!!

僕だって家族と過ごしたいんだっ!

まともな纏まった休みなんて今後いつ取れるか分からないんだよ!?

頼んだよ〜!怪も大人しくしていてくれよな!!


…もし三階級以上怪がでたらその怪は存在した事を後悔させてやる…地獄が生温く感じる程にな…

覚悟しておけよ…





まぁ…僕の私念は置いておいて…

今日から燿蓮に陰陽師としての教育を施していくよ〜!

通常は5歳からなんだけど彼の霊力はまだ測定していないから分からないけど多分僕と同等…もしくは僕以上にある。

そんな状態の子供に何も対策をしてあげないなんて

ありえない。

大分早いけど3歳から始めることにした。

早死にしてほしくないからね…知識はあるに越した事はない。




陰陽師協会の仕組みや階級について一通り話した後実技に入る。


手始めに札の作成から教えた。

事前に文字を覚えさせていたので書く分には問題無いと思う…というかよくあの文字を覚えられたよね…まだ3歳だからね…あの子…本当凄いよ…!


まずは僕がお手本を見せていく。

燿蓮の視線がすごく感じる…陰陽師に興味を持っているのかな…?それとも札が目新しいのかな…?


お手本を見せた後燿蓮が札を作成する…

彼の表情は真剣なもので背筋もピンと伸ばし

綺麗な所作で字を書いていく。

まるで札を何枚も書いてきた人のように見えた。


出来た札は完璧だった。

霊力が均等に行き渡りムラがない。

その道の職人でさえ多少は癖がでるというのに…

この札はそういったものが一切ない。

これは特級品だ…親の色眼鏡とかでは無く、現役陰陽師としての視点からして。


燿蓮の札は既に完成されていたが

毎日の日課として札の作成を課した。

札の練度では無く、何かを地道に継続して努力を

する。それが大切なのだ。



…まさか札屋を開けるレベルに燿蓮が札を作成するとは思わなかったけど…

本当にあの子の霊力は計り知れないな…

札を作るのにも霊力は消費する。それを1日に何枚も何枚も…すごいな…



















それにしても何故燿蓮は"禁忌の裏切り者"を

知っていたのだろうか…

奴は歴史から抹消された者。

この屋敷にも黒曜石の陰陽師について記述しているものはないはず…

あの陰陽師の事を聞いてきた時の燿蓮の目は虚ろで

影を落としていたように見えた…。


一体何だったのか…

どこで知ったんだ…?


誤魔化しはしたが…いずれ彼は奴の存在を知るだろう。

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