俺にしたことは全て体に刻み込まれている。せいぜい破滅に向かう道を楽しめ

主人公斎藤修司、彼はクラスのある五人に陰湿で、とても見ていられないような暴力の的になってしまう。
ある日、裸で縛られ、タバコの火を彼の体に押し付けたり、ミミズを食わしたり、腹を殴って嘔吐させたり、牛乳をかけて、挙げ句の果てにはそれを動画として記録したり。
そのまま去った彼らとは別に、家に帰った修司はあることを誓う。
泣き寝入りなんてもってのほか。
だからと言って殴り合いでどうにかしようとするほど低脳でもない。
ならば彼は何をしたか?
SNSで晒したのだ。彼らのやったことを、自分の体を証拠に。
プライドなんてとうの昔に消し飛んだ彼は、もう誰も止めることのできない暴走機関車と変貌を遂げたのだった。

全てを傷つけられ、もう失うものがほぼなくなってしまった彼。
再開した友の手助けもありながら、確実に証拠を集めていく。
ただ、ここで残った課題が一つ。
復讐が成功した後、彼の心はどこへゆく?
パートナーのもとか?
自分で静かにしまうのか?
それとも──闇の彼方に放り去ってしまうのか?
これは「ざまぁ」と共に、本当の豊かさとは何かを考えさせられる話である。
君の心はどこへ?
本当の愛というのは誰から?
様々な疑問が集まり、その終着点は果たしてあるのか?
ただの「ざまぁ」ではない。
君の思うよりも奥深い復讐劇がここにある。
ぜひ読んでほしい一作品である。

その他のおすすめレビュー

狐囃もやし -こばやしもやし-さんの他のおすすめレビュー245