『Miniature Dolls』神楽鳴&白鴉夕鴉

白鴉夕鴉:

襤褸ボロ切れ、喉に巻き付けたなら

生きる価値を失うの?


神楽鳴:

額縁に閉じ込めた、ミニチュアが蠢き出す迄は

飛び立たない鴉と共に、心拍を刻みましょう



白鴉夕鴉:

黒鳥に視界が覆われても、水銀の熱さを

私は、良く知っている。


日々生きる毎、喉奥につかえた、死の安寧が

私を殺す、朽ちた硝子と成るかな。


神楽鳴:

白磁、カップの中の水は、溢れ出す『Word』を掴めない

真っ白な世界に、声なき悲鳴を轟かせても…


また失敗。私が透明?隠されるでしょう



白鴉夕鴉:

瞳に映る総てが、空虚な一枚のシーツで

脅かされぬよう口を噤んでいる


恐怖が、心を支配しているから?

私は永遠に抜け出せぬ、迷路に置き去りよ


神楽鳴:

砕けた窓ガラス、曇る空へ手を伸ばした

白鴉は大人になれぬまま


ぐるぐると廻り続ける、運命に踊らされては

触れ合いたくないなんて、鍵も掛けぬ鳥籠の中で


私達は怯えてるの?



神楽鳴&白鴉夕鴉:

Are you a glowing obsidian flower

(貴女は白熱した、黒曜の花?)

Are you the only one who knows about a rabbit carcass?

(貴女だけが屍の兎を知っている?)


I'm alone, put in Handcuffs and Mouth wheel

(私独り、手枷とくつわを填め込まれ)

I burned a thorn on my trembling shoulder...

(震える肩に茨を焼いた…)



白鴉夕鴉:

もういいか、何かを諦めて…私は鳥になるの

握り締めた硝子の糸、暖かい血が滲む


神楽鳴:

もう一回、なんて死にたくて

割れた鏡越しに、バラバラの私を映し出した…



白鴉夕鴉:

小枝が突き刺さる、胸の痛みに

もう、写真立てに睦み合う、誰かを認めたくて


青い花を…宝箱の中から取り出せば

私達は痛みを宿す、心臓をぎゅっと抑えたの



神楽鳴:

硝子が降り注ぐ世界の、青空へ向かって

ずっと、手を伸ばしていた


ミニチュアな人生が、箱庭の中なら

誰かに傷つけられることもなかったかな…


白鴉夕鴉:

この姿が、忌まわしさの総てなら、終わりの言葉は

笑われるだけで、愛されない、醜い鴉


いっそ、殺されたいな…って

流した涙で、溺れた言葉、青空に消えていく…。

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