第6話 接点を見つけたい


 高校には学食という所がある。そう昼食を食べれるところだ。中学までは給食だったから新鮮さを感じる。勿論お弁当を持って来ても購買で買って食べてもいいらしい。


 お昼になると絵里が俺達の教室に来て

「和樹、学食行こう」

「おう」

 俺と小峰は席を立って絵里と一緒に行くのだが周りから


-あれ、どういう事?

-さぁ、恋人同士とか?

―でも名前呼びだけでしょ。同中と聞いているし。

-うーん、聞いてみるか。


 そんな事を言われても別にどうもに思わない。絵里とはもう二年以上の付き合いだ。別に俺達の関係がバレても気にならない。



 三人でチケット自販機に並びながらショーケースを見ると俺は

「A定かな」

「俺は唐揚げ定食」

「私はB定」


 そんな事を言いながらチケットを買ってカウンタに並んで定食を受け取ってから四人掛けのテーブルに着いて食べ始めると絵里が


「和樹、最近って言うかGW終わった辺りから私の周りの子が倉本君とはどういう関係とか聞いて来るの。

 最初は同中の友達って言っていたんだけど、もう付き合っているって言って良いよね」

「構わないけど」

「和樹、あっさり言うけど、みんなそういう話題には飢えているぞ。それに三橋さんは容姿が抜群だ。当然、お前へのヘイトが出るかもしれないぞ」

「そんな事言っても事実を隠すよりはっきりした方がいいだろう」

「まあ、お前がそう言うなら良いけど」

「和樹、強いしね」


 §小峰功

 俺が心配しているのは三橋さんに対してもだ。俺が言うのもなんだが、倉本は背が高い上に顔立ちが綺麗だ。俺みたいがっちりとした顔をしている訳では無い。それが心配なんだけど。


 俺は授業が終わり倉本と三橋さんと一緒に駅まで行く間に

「倉本、三橋さんも気を付けないと」

「なんで絵里が?」

「お前は自覚無いが、中学からお前は人気がある。高校に入ってもお前の耳には届かないだろうが、結構女子の中でも人気が有るんだ。

 当然お前と三橋さんの仲を公開したら三橋さんにもヘイトが行く可能性があるという事だ」

「うーん、それは私も分かる。和樹って無駄にイケメンなんだよね」

「絵里、何だその無駄にイケメンとは?」

「私にだけにイケメンなら良いのにって事」


 そう言うと絵里はつないでいる手を一度離して俺の胸を突いて来た。そして

「自覚してよね。へんな子に誘われちゃ駄目だよ」

「そんななる訳無いだろう」


「倉本、三橋さん。またね」


 小峰が反対のホームに歩いて行った。

「和樹、今日来る?」

「いいけど。明日の予習か?」

「うん、予習。復習もしないとね」

「そうだな」


 絵里の家に行くと家族はいない様だ。彼女の部屋に行って教科書を取り出そうとすると

「和樹、復習から」


 そう言って俺に抱き着いて口付けをして来た。これ復習って言うのか。絵里は濃い目の復習が終わると

「じゃあ、今度は予習ね」

「おい!」


 絵里の体は大きい。俺と八センチしか違わない。ベッドに押し倒されると予習が始まった。でもこの予習は俺が主導だけど。


 二回程絵里が行った所で俺も我慢出来ず、ゲームアウト。少しして玄関が開く音がして

「絵里帰っているの?和樹君来ているのね」


 俺達は急いで洋服を着てからローテーブルに教科書とノートを出してさっと両方を開いた所でドアがノックされて開いた。


「あら、静かだったと思ったら勉強していたのね」

「うん、しっかり予習しないとついて行けないから」

「そう感心だわ。和樹君、教科書逆様よ。ふふっ、頑張ってね」

 

 ドアが閉まると俺と絵里は顔を見合わせて吹き出してしまった。

「もう、和樹ったら」

「だって急いでいたから。ギリギリだったし」


 §絵里のお母さん

 若いから我慢出来ないのだろうけど元気な物ね。このまま何も無ければいいのだけど。



 それから一時間だけだけど真面目に明日の予習をして俺は家に帰った。しかしさっきのは恥ずかしかったな。


 次の朝も俺と絵里は俺の家の最寄り駅のホームで待ち合わせして降りる駅で小峰と会ってそのまま学校に登校した。


 廊下で絵里と別れて小峰と一緒に教室に入って自分の席に着くと前に座る桑原さんと金井さんが朝の挨拶をして来た。俺達もそれに応えると桑原さんが

「倉本君、1Aの三橋さんと付き合っているの?」

「いきなりな質問だな。ああ、付き合っているよ」


 教室の中がざわつき始めた。

「いつから?」

「中学二年の時から」

「えーっ、もうそんなに長いの?」

「うん」


-倉本の奴、三橋さんと付き合っているんだって。

-許せねえと言いたいが、体格が違う。

―悔しいけど当面様子見だ。


 君達一生様子見る事になるよ。


 金井さんが

「小峰君知っていたの?」

「ああ、倉本とは俺も中一から一緒だからな」

「そうなの。小峰君は付き合ている人は?」

「俺はいないよ。こんなゴツイ顔した男に声を掛ける女子なんていないよ」

「そうでもないと思うけど」


 でもそれだけ言うと金井さんは前を向いてしまった。金井さん、それは冷たいのでは。


 小峰は体がでかくて俺と同じ髪の毛が短い。眉毛は太く目が大きい、鼻はがっちりと高く、顎は張っているという程じゃないけどしっかりとした輪郭をしている。小峰がサングラスを掛けると結構迫力のある雰囲気になるのは確かだ。



 そんな、俺達はいつもの様に学食で三人で食べていると女子バスケの部長が俺達の傍にやって来た。


「ねえ、君達。今日の放課後、バスケを見に来ない?」

 小峰が

「俺は行けないです。用事が有るので」

「俺と絵里もいけない。用事が有るから」

「そう、明日は?」

「小峰どうする?」

「倉本は?」

「あの、なんで俺達を誘うんですか。部活に興味無いので行きたくないんですけど」

「はっきり言う子ね。気に入ったわ。だから明日見に来てね。必ずよ。じゃあね」


 何故かこっちの返事も聞かずに行ってしまった女子バスケの部長。俺と同じ位の身長が有った。

 周りも今のやり取りを聞いていたのかコソコソと話をしている。


「倉本、どうする?」

「俺と小峰だけで行くか。絵里は帰った方が良いんじゃないか?」

「和樹の傍に居た方が安全だよ」

「そうか。でもなんであんなにしつこいのかな。部活入らないって言っているのに?」

「さあね。どうしても入れたいんだじゃないか」

「絶対に入らないけど」

「私も」


 でも結局次の日の放課後行く事になった。


―――――

書き始めは皆様の☆☆☆が投稿意欲のエネルギーになります。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。

宜しくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る