第15話 首謀者?から生き残るには
「あのー、誰かいませんか?」
「おや?」
扉を開けて中に入ると黒い司祭服を着た、白髪の40代前半ぐらいの男がチャーチチェアから立ち上がりアリスの方へ近づいた。
「これはこれは魔法使い様!我々ら神の子をお守りに来たのですか?」
「...我々ら?俺から見ればアンタは悪魔の子にしか見えないんだがな...どうやら、もう正体を隠す気はなさそうだな」
部屋中、領民のバラバラの死体が、茎によって壁に貼り付けられていた。ドロドロと流れる血は床を真っ赤に染め上げられている。
「ふははは!どうやってここまでたどり着いた?辿り着けない様に教会の周りには強化された
「あれエルトラって言うんだ。彼らは親切に通してくれたぞ?」
「何?アレは私達以外の人間を自動的に殺す様に作り上げてるんだぞ」
「おいおい、その言い方だと俺は人間じゃないって事になるぞ?」
それに私
「はぁー...悪いがアンタと優雅にお喋りに来た訳じゃないんだ。アンタを倒せば街に放たれてるエルトラは止まるってのが相場なんだろ?」
「なら試してみるか?まぁ、お前如きに私を殺せないがな」
「なら、試させて貰うぞ」
アリスは天涯砕きを肩に担ぎ、超スピードでブフルの間合いに近づく。ブフルの腕が棘のある太いツタの植物に変わり、数十と超える鞭はアリスを襲う。
「よいこらしょっと!」
物凄く太いツタの植物ごと、ブフルに目掛けて天涯砕きを振り下ろした。アリスのパワーと天涯砕きの重量が掛け合わさり、並の人間なら簡単に止められないだろう。だが、それは並の人間の話である、ブフル自身の身体は色々と改造されている。
「まじかよ...」
ブフルはアリスの天涯砕きを根っこの様なモノデ素手で受け止めた。アリスを逃がさんばかりとガッチリと棒を握る。
「馬鹿正直に近づきやがって。魔法使いなら魔法を使えば良かったな」
「あ?...?!」
ブフルの身体から矢ぐらいの大きさの無数の棘が現れ、同時にアリスに向かって発射する。あまりにも近距離から避ける事は出来なくモロに食らってしまった。
「がっ!」
その威力からアリスは吹き飛ばされて床に転び落ちる。掴んでいたアリスの武器を横に投げて、倒れ込むアリスの方へゆっくりと歩く。
この全身タイツもどき、いい素材を使ったんじゃねぇのかよ。普通に貫通してるじゃねぇか。
「前に戦った魔法使いの方が強いな。もっと強い魔法使いを寄越してくるとは思ったが...残念だな」
「...ふっ」
「ん?...?!」
アリスの身体には無数の棘が刺さっている状態、特に防御に使った右腕は貫通している。アリスはゆっくりと立ち上がる、アリスの顔は不気味と笑っていた。その表情にどこか既視感を覚える。自分の腕が震えている事に気づいてしまった。
「なんだこれは?恐れているのか?...」
「魔法ってなんでもアリなんだな、完全に油断してた...あと少し反応に遅れてたら死んでたな!だが、やっぱり戦いはこうでなくちゃ!」
「...何がおかしい?状況を理解してないのか?お前に残されているのは死を待つことだけ。この戦いの決着は目に見えてる」
アリスは次々と身体に突き刺さっている棘を抜いた。
「決着は目に見えているだと?ふざけんな、まだ戦いは始まったばかりだろ?」
「そうか、ならすぐに現実とやらを見せてやる。お前は決して私には勝てないとな!」
ブフルの両腕は物凄い太いツタの植物と変わりアリスを再び襲う、次は天涯砕きもなく身軽になり距離もあって、簡単に間を通って避けながら近づく。
「アホめ!何も学ばなかったのか?!」
ブフルは同じ様に大きな棘を身体中から現れる。
「2度も同じ攻撃を喰らうほどバカじゃねぇ」
「なっ?!」
アリスはブフルの鞭の様な植物を掴んだ。棘があるにも関わらず思いっきり掴んだことにブフルは驚きの表情を見せる。その一瞬の隙にアリスは植物を引っ張りブフルからアリスに近づかせた。
「歯を食いしばれ!」
「また引っかかったな!」
アリスは反対の手を握りしめて魔力を込めた。そのままブフルの顔を殴ろうとした途端、ブフルの顔から同じ棘を出してカウンターを狙う。
だから、わざわざ一本残しただろ
「がぁあああ!!」
アリスは殴ろうとした拳の軌道を変えて、腕に貫通している棘がを抜き、ブフルの左目を突き刺し身体を回転させた勢いで蹴り飛ばした。
「アアアァァァ!!」
その場で崩れ落ち、左目を抑える。
「どうした?痛いか?俺も同じ気持ちだ」
「クソガキがぁ!!」
身体からガトリングガンの様に無数の棘をアリスに放った。
ありゃ避けられねぇ!なら!40%チャージで行く!
拳に魔力を圧縮させて、飛んでくる棘をパンチの風圧で殴り飛ばした。
「ぶっ殺してやる!!!」
「そう興奮してんじゃねぇ!」
ブフルが飛び込む様にダッシュをする、アリスも同様にブフルの方へ走った。
「死に去らせ!」
根っこの上から棘のあるツタを両腕に纏い、アリスとの殴り合いの勝負に挑む。次々と紙一重で避けるアリスはカウンターでブフルに10%チャージの状態で蹴り殴りの攻撃を入れる。
「んなもん効くかよ!!」
倒れることも無く、吹き飛ばされる事もなく足の力でアリスの攻撃を耐え止まらぬ猛攻撃を繰り広げる。だんだんスピードが早まり、カウンターを与える隙が無くなっていく。
「どうした?!!避けてばかりになってるぞ!」
「左、注意するべきだ」
「あ?...んかっ!」
バコンっ!
ブフルの左目はアリスによって潰された。左の視界が見えていない状態を利用してアリスは左からブフルの顔面に強い衝撃を与えた。そしてアリスは避けていただけではなかった。わざと天涯砕きが落ちている場所に誘導していた。
「やっと取り戻せたよ」
「ふざけんなよ!!そんな重いだけの武器で私を殺せないぞぉ!」
アリスは天涯砕きを手に取る、だが天涯砕きで攻撃する前に、ブフルの攻撃が先に当たるだろう。だが、ブフルの思考は一瞬止まった。先ほど左からの攻撃をした時の武器の正体が視界の中に入った。
「は?」
魔法使いとして非道な行為であった。アリスはブフルがバラバラにした市民の頭を使い、長い髪を掴んでハンマーの様に殴ったのだった。その頭をブフルの視界の前に投げる。
「何驚いてる?アンタがした事だろ?」
「がぁ!!」
ほんの一瞬固まった隙に、天涯砕きでブフルの胴体に目掛けてフルスイングで吹き飛ばした。
「ガハッ!お、お前、本当に魔法使いか?人の死体を利用するなんて...」
「ふははは!なんか勘違いしちまったか?俺が魔法使いだからってなんだ?これは殺し合いなんだよ!!もしかして聖人の戦ってるつもりだったか?悪いが俺は勝つためなら何でもする!」
「...そうか、分かったよ」
「(なぜ、私がこいつに対して既視感を覚えたのか。恐怖心を抱いてしまったのか...こいつもあの人達と同じ分類なんだ。死を単なる終わり程度にしか思っていなく、勝つ事が生き甲斐の自分が最強だと思い込んでいる死と生に飢えた怪物なんだ...)」
「お前を生かしちゃいけねぇ。私の命に引き換えてでも殺さないと」
「(別にあの人達を慕ったりしてる訳ではない。あの人達の理想が私の理想が一致しているだけだ。私の力で理想を叶えられなくともあの人達なら...だから、邪魔される訳にはいかねぇ!!)」
「植物魔法・
「...?!」
ブフルの地面からサークルが現れ、サークル内からタコの足の様に動く根っこが現れる。その根っこはブフルを飲み込み天井を貫くほどみるみると大きくなる、それは木に手足が生えた様な怪物であった。
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