第9話 盗賊は悪い人?
「イッちゃん、王都まで出来るだけ途中の町に寄って、ギルドに所在情報流す事! 気を付けて! 女の一人旅盗賊が狙うぞ! 生け捕りとか考えず殺せ!!」
「ゼンさん? 私のお父さんか? 心配し過ぎだよ!」
サブギルマスのゼンさんには、登録仕立ての新人の時から世話に成ってる、孤児だった私ってゼンさん以外と親しく話出来る人は居なかった。
⦅イチ、この巨人悪人面なのに良い奴だな! イチの事随分心配してる、王都ってそんな怖い所か?⦆
「カエル君、王都が怖い所じゃ無くて、途中の山や森に盗賊が居る所が在るの、でもカエル君が一緒だから大丈夫だよ」
⦅僕が? あぁ、肺に水だね⦆
「頼りにしてるよ!」
⦅任せろ!⦆
「イッちゃん? ケロケロってカエルとまるで会話してるようだな」
「まるで、じゃ無いよ、確り会話してるよ」
「良いペット拾ったな、旅が無理なら何時でも帰って来い」
イチは雑貨屋で干し肉や乾パンを買って、最果ての町を旅立った。
何も問題無く5回お日様が上り下りした。
「カエル君、あそこのイノシシ見える?」
「ゴツい牙の巨大な獣?」
「巨大じゃ無いけど、肺に水をやって」
「……入れたよ!」
イノシシって獣は、苦しいのか逃げようとして、ダダッと走ってバタッと倒れた。
「このキズ無し毛皮も高く売れる! カエル君ありがとう!」
イチがお礼言ってるけど、毛皮を剥がし解体、骨でスープを作り肉を焼いたり煮たりして、美味しい食事作ってくれる、こっちがお礼言いたいよ。
(本当イチは良い案内人だよ)
「旨そうな飯食わせろ! ついでに剣と金を寄越せ!!」
3人の巨人が現れた。
⦅……イチ? こいつら悪い奴?⦆
「あぁ盗賊だ」
⦅盗賊は悪い人?⦆
「肺に水! 全員やって!!」
僕は盗賊って人間3人の肺に水を入れた。
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