第6話
久しぶりの寝顔。 いつぶりだろうか。
長いまつげ。 すやすやと寝息をたてている、そんな彼にそっと、キスをした。
「…?」
ゆっくりと、目を開けるシルクくん。
「!!」
…キスしたことで彼が起きてしまったのだ。
「ん………?」
どうしよう、何て言えばいいんだろう。
「あっ…あの…その…」
動揺してしまう。 どうしよう、どうしよう!
「…ユン、時計塔のポータル、持ってたっけ?」
「うん」
ドキドキドキ…鼓動がすごく早く打つ。 落ち着いて私の心臓!
「じゃあポータル出して?」
「はい!」
内心ものすごく動揺しながら、ポータルを開く。
「ユンもおいで」
そう言うと彼はワープポータルに乗り、わたしもそれに続いた。
時計塔から見て西の建物に入る。
個室に二人っきりになるのは初めてだから、ドキドキしてしまう。
「ユン、そこに座って」
「はっ、はい!」
彼が指さした、ベッドの上にちょこんと座る。
えっ、どうしよう、と思い背筋を伸ばして正座して。
「さっきの事なんだけど…」
彼が背中を向けて座り、ゆっくりと話し始める。
「う、うん」
なんて言われるだろう?
怒ってるかな? 当たり前だよね、失礼だよね?
寝ているところにキスをしてるなんて。 その。 うん。
「あのさ、そんな固まらなくても。
まずは息を吸って、吐いて、吸って、吸って………」
すぅ、はぁ、すぅ、すぅ………ん? なんか別の意味で苦しい。
「ゲホッ、ゲホッ………」
「はい、ユンの負けー、じゃなくて」
まあまあ落ち着いて? と、ちょっと困ったような顔になり、
「実はさ」
「うん」
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