チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道

第1話

 ごく普通の会社員だった俺は、いつものように会社から帰る途中、突然、見知らぬ森の中にいた。何が起きたのか全く理解できない。周りを見渡しても、見慣れた景色はどこにもない。ここはどこだ?俺は混乱しながら、森の中をさまよった。着ていたのは、さっきまで会社で着ていたはずの、見慣れたスーツだ。森の中でスーツ姿という自分の異様さに、さらに混乱が増していく。


 その時、脳裏に声が響いた。


「スキル『魅了』を獲得しました」


 魅了?なんだそれ?意味が分からず首を傾げた、その直後だった。


ガアアアア!


 突然、耳をつんざくような咆哮が響き渡った。茂みの奥から現れたのは、見たこともない凶暴な魔物だ。鋭い爪と牙を剥き出しにして、俺に襲いかかってくる。


「うわああああ!」


 絶体絶命の状況で、俺は腰を抜かしてへたり込んだ。もう駄目だ、と思ったその時。


キィン!


 甲高い金属音が響き、魔物の攻撃が弾かれた。颯爽と現れたのは、銀色の鎧に身を包んだ女性騎士だった。


「下がれ!」


 騎士は手にした大剣で魔物を一閃し、あっという間に仕留めてしまった。その見事な剣技に、俺はただ呆然と立ち尽くした。


 騎士は血の一滴もついていない剣を鞘に収めると、冷たい視線で俺を見下ろした。彼女の顔は端正で、その瞳には強い意志が宿っている。そして、その瞳と俺の目が合った瞬間、また脳裏にあの感覚が走った。


「スキル『魅了』が発動しました」


 騎士の表情に、微かな変化が生まれた。それまで俺に向けていた冷徹な視線の中に、どこか困惑が混じり始めたように感じた。


「……貴様、何者だ?なぜそのような場所にいる?その奇妙な装束は一体…」


 騎士は俺のスーツ姿に視線を向けながら問うたが、その声には以前のような鋭さが薄れていた。俺は慌てて答える。


「俺は、佐々木健太です!気づいたらここにいて……この服は、俺がいた世界じゃ普通の服なんです!」

「佐々木健太か。私は騎士団の副団長、セシリアだ」


 セシリアと名乗った騎士は、警戒を解いていないものの、先ほどのような威圧感はなかった。


「状況は把握した。騎士団の規律により、このような場所で身元不明の者を放置するわけにはいかない。王都まで保護する」


 セシリアの厳しくも真面目な雰囲気に圧倒されながらも、俺は彼女に保護されることになった。

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