第32話 もろこしプラスチック
この国で「もろこしプラスチック」と呼ばれているものの、原材料はもろこし。
前世の日本にいたころ、バイオマスプラスチックっていうものの特集を見た。
説明を受けるに、もしかしたらとっても似ているか同じもの。
環境が整った土に埋めると、土に還る仕組み。
土に埋めない限り、プラスチックののまま。
燃やしても有害物質は含まれていないので、問題ない。
「あれ・・・?この国に存在してる、ってこと?」
「そうなんです」とフェルナルド・ゴッテスが微笑。
「ん?どういうことだろう?」
「こちらの簡易麺を召し上がったことは?」
「あ!コンソメみたいなのに七味唐辛子入れたみたいなのっ・・・」
――あれは・・・あんまり美味しくなかったなぁ。
「その簡易麺を包んでいた外面が、もろこしプラスチックです」
「ええっ!?」
――もう存在して、一般的なんだ!?すごい。
「それでは・・・なにが問題なんです?」
「執着」
「・・・まさか・・・愛着心!?」
「そうなのです・・・」
どうもこの国は、コンソメ七味みたいな味に愛着があって、発展してない。
ってことになると、開発してないのかについて。
「してるんです」
その場にいた説明役が言った。
「なにが問題なの?」
「一言で言うと、新しいラーメンなるものが本当に美味しいと言う認識です」
「・・・なるほど!」
――
――――・・・
と、言うわけで、王宮の軍人たちに食べてもらって感想を聞く機会を作った。
醤油、あさり、鶏ガラのラーメン。
アンケートをとった全員から、「美味しい」について「ポジティブ」に丸印。
意見の枠には、コンソメ七味味をなくさないでくれ、があった。
「そのままコンソメ七味味は残しておけばいいじゃないの」
「なんだって!?」
と言う運びで、パルゼン村の六人兵から手紙が来ていた。
彼らからの手紙は私情として直通で届くことになっている。
彼らからの相談は、せめてあのラーメンを貧しい村に、とあった。
私が対応したいとパルゼン村が有名になったから、六人兵が対応している現状。
届いた手紙を大義名分に、なんと「採用判断」が出て簡易麺、大量生産決定!
これで新しい簡易麺が誕生!
軍人たちから、感想枠に「感謝します」と匿名でいくつもあったと報告が来た。
新しい簡易麺の名前を決めてくれ、と言われて・・・
――ああ、とんこつラーメン叶わないかなぁ・・・あ。名前、名前。
「うーん・・・ただ単に『ラーメン』じゃダメだろうしなぁ・・・」
「あ、ラーメンでいいですよ」
「ん?」
「即席ラーメン何々味、でいいです」
「え、あ、そうなのっ・・・うんうん。じゃあ、ラーメンで」
――異世界記念!すっごいことと関わってる気がする!!
すぐに出来た「即席ラーメン」。
(さっきまで簡易麺と即席麺を書き間違えていた)
底の部分が開くとほぼ水平の場所では自立して、封は簡単に開く。
お湯を入れて3分くらいでかきまぜたら食べれる状態。
袋は土に埋めたら栄養になる。
そのうえ簡易麺ラーメンは、コンソメ七味味より・・・美味しい!!
大量生産が叶うまでに、そう時間はかからなかった。
軍が担当して統計をとると、非常食から普通の食に変りつつあるくらいの人気。
薄い黄色はもろこしの色。
半透明だから中身が見えて素敵。
何味かでこぼこと焼き印で記してあるから分かりやすい!
もしかしたら完璧かも!!
感動の手紙が次々に届いている、と、六人兵から手紙があった。
大量生産の代価に、お妃様からの要望がったこと今書いておこう。
三人兵と一緒に、とんこつラーメンを作って献上。
これもまた、即席ラーメンに採用されたから嬉しい。
なにより、三人兵とわちゃわちゃできて嬉しかった。
「とんこつの骨、肥料になるのにな・・・」
「「どういう意味?」」
「乾かして粉砕してふるいにかけるの」
「俺達料理人がある程度できますんで」と料理人のひとり。
「僕たち、風属性になりたいって前前から思ってるんだ」
「魔法のこと」
「料理にも役にたつと思う」
三人兵の言葉に、厨房にいた料理人たちは笑った。
――もしかして魔法が使えたら・・・料理人は普通、火の属性?
私が魔法の属性を持つなら何がいいだろう?
ああ、そうか・・・属性は、天が選ぶんだった。
なにはともあれ、美味しいラーメンが普通化してきてる。
これは嬉しいこと。
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