【9話】#1〜#4 : バレ…てないよね?!
●──#1
「あっ…」
商店街を出て少し歩いた噴水のある公園に見覚えのある顔が
あれは名畑さんと笹木さんだ。何してんだろ。
興味が湧いてきたので駆け寄ってみようと思ったんだけど……、そういえば俺今変装してたんだった!!
学校の時の俺は、真面目なメガネ美少年風な変装を施していたから今の俺を彼女たちが見ても学級委員長の茅野蘇トだということは絶対に分からないだろう。
たとえ俺が勇気を出して彼女たちに話しかけても”え?何この人ナンパ?キッショ”ってなるかも…。俺が変装してるのが悪いとはいえ、最近仲良くなった同級生にそれ言われたら絶望不回避。それは絶対いや案件なので、ここは立ち去ることにした。
彼女たちは彼女たちで噴水前でスマホを触っているしきっと誰かを待っているんだろう。おそらく高橋(さん付けやめろと本人に言われたので)だろうが、いつか彼らに誘われる日はくるのだろうか…。
そうなる日を待ち望みしなながら俺は公園から遠ざかろうとした。したんだが、無駄に耳がいい俺は聞こえてしまった。
「や、やめてください!」
「えー、いいじゃん。俺たちと遊ぼうぜ?」
「私たち人待ってるんだー、だから無理ー」
「じゃあその子も呼んでよーいいじゃんいいじゃん」
同級生がナンパに合ってる!?これはチャン…おっと、危ない危ない。俺は別に彼女たちナンパから助けてあばよくば話しかけようとしているワケジャナイゾ?(カタコト)あくまで同級生を助けるためにナンパをぶっ飛ばすんだ!!(内心歓喜)
「ちょっと君たち何をしている」
「あぁ?なんだお前?」
「見てのとおりナンパしてんだよ。お前には関係ないことだろ?」
「彼女たちを誘いたいという"お気持ち"は勝手だが、相手が困っているようじゃ、ナンパは失敗してるだろ。それに彼女たちは
「えっ?」
俺は察しがいい笹木さんに
「遅いよー
「えっ?えっ?(←名畑)」
「お待たせ、と言いたいところだが絡まれているようだな」
「そうなんだよー」
「…ッチ、人待ってるって男のことかよ」
「しらけちまった。いこうぜ」
「あぁ」
男たちは何事も無かったようにその場を立ち去ろうとしたので、追い討ちをかける。
「立場悪くなったら逃げるなんてダサいぞ」
「うるせぇ!色男!」
「顔がいいからって調子乗るな!!」
ふ、はははっ!!前世の俺の顔、顔面偏差値71を舐めるなよ!(なお今世よりはだいぶグレードダウン)
「ソトくん…?」
「っ……!」
?!?!
「助けてくれて感謝ー、名もなき男の人ー」
「…ああ」
びっくりしたぁ…!声は小さかったが名畑さんから俺の名前を呼ばれた気がしたんだけど?!
──気の、せい…だよね??
「な、名前なんていいますか?お礼させてください!」
おっと名畑さんにしては珍しい反応だな。となりでうんうんと相槌うってる笹木さんは平常運転だけど。けど名前かー、考えてなかったな。んー、まぁあれでいいか。
「俺は
とくになんの変哲もない前世の名前だ。今は前世の顔だし丁度いいだろ。あとお礼は別にいらないかな、ほんのちょっととはいえ下心があって助けたわけだし罪悪感がすごい。なんか恩を売るために助けた、みたいだしさ。
「おーい!」
すると公園の入口付近から誰かを呼ぶ声が聞こえた。声の主は高橋だな。
「あ、高橋くん」
「本物の高橋とやらも来たようだし俺は──」
「遅くなってごめんごめん!──って、こいつだれ?」
「私たちをナンパから助けてくれたセキさん」
「それマジ?」
やべ。逃げ道なくしたかも。
「俺からも笹木と名畑を助けてくれたお礼をさせてくれ!」
あー、やっぱりこうなるのねぇ……
●──#2
「ここです!」
「前から来たかったんだよねーここ」
陽キャの雰囲気に流されてお礼参り(多分意味ちがう)しにやってきたのは、とあるカフェの前。その外装は、オシャレながらも落ち着いた雰囲気で最近若者を中心に人気のあるメイドが店長のお店だ。そうつまり──
「──父さんの店やんけ…」
「どうしたのセキさん?」
「な、なんでもない!ちょっと連絡だけしていいか?」
「あ、どうぞどうぞ」
もともとここに来る予定だったが、まさか同級生に勧められて来てしまうとは…。と、とりあえず!正体がバレないよう父さんに連絡を!
●──#3
(父さん。やばいことになった)>
<(どうしたの?)
(学校の同級生とたまたま会って
いろいろあって一緒にお店に行
くことになったんだけどちょっ
と演技してくれない?)>
<(ん??どういうこと??)
(ほら、今の俺って学校に行く
時の俺じゃないから違う人っ
て思われてるんだよ)>
<(あぁ…(察し))
(だから頼む!俺のことはこの
店の常連客セキさんとして扱っ
てくれ)>
<(わかったわ、今いる常連のお
客さんにもそう伝えて置くわね)
(お願い)>
<(任せて)
「あ、セキさん来た」
「連絡終わったー?」
「待っていてくれてありがとう、じゃあ入ろうか」
●──#4
「──にしてもびっくりだよーまさかセキさんがこのお店の常連だったなんてねー」
「まあな」
「あと結局、セキさんに奢るつもりだったのに逆に奢らせてしまってすみません」
「いいのいいの」
「やっぱり年上の人ってすごいんだな…」
俺、君たちと同い年だよ?
なんか変装のせいもあって名畑さんたちに年上だと勘違いさせてしまった。俺、そんなに大人っぽい?照れるなぁ。
「なぁなぁ、これから4人でカラオケいかね?」
「ちょっと高橋くん、セキさんに迷惑だよ!」
「ありよりのありーセキさんさえ良ければ遊ぼうよー」
「笹木ちゃんまで…」
「うーん、まぁ別に何も予定はないしいいぞ」
「いいんですか?!」
「ああ」
友達とカラオケなんて、なんか青春っぽくて昔から憧れてたんだよね!!ふふふ、こう見えて俺は週2でヒトカラ通ってんだ。その甲斐あって歌唱力は自信ありだ!存分に聞かせてやろう!マイソウルビートを!!いや、レクイエムを!(←あんま意味変わってなくない?)
4人はまだ知らない。この後、バチバチに心霊関係の事件に巻き込まれることを、そして主人公に悲劇が訪れることを。その時までは、まだしらない。
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