クビになった元凄腕冒険者、弟子をとる。復帰する。そして伝説になる。
@a201014004
プロローグ。現代師弟の日常。
「師匠・・・・・・・・・もう我慢できましぇん」
少女の声が漏れる。微かに荒い息と悶えているような響き。熱った頬と陶酔しているようなトロンとした目つきも相まって、淫靡な雰囲気を放っている。
「だめだ。まだ、我慢しなさい」
「ああ、そんな! ひどいれす!」
制する男性に、少女は悲鳴を上げる。ねだるような媚びた態度が加わる。だらしなく開けている口からは涎が垂れそうだし、いやらしく体をクネクネウネウネと悶えさせていて、淫靡な様子が増した。
まるで発情期の犬ようだ。ねだり続ける少女を眺めながら、男は内心でおもった。
「お願い・・・・・・・・・! 師匠の、師匠のをくだひゃい! お願いれす!」
「まったく、しょうがないな。ほら」
「あああああ!!」
限界を迎えたのだろう。男の許可が出た途端に少女は絶頂に至ったときのような嬌声を上げた。体勢を整え直し、歓喜の痙攣で全身を震わせ自分の体に男のが挿入れられるのを催促する。
「ちょうだい!! 早くうう!! 私のここにいいいいいい!! んんんん!!」
「ほら」
「んああああああああ!!!!」
遂にそのときが来て、少女は叫んだ。この世のものとはおもえない快感と衝撃に打ち震えながら味わい、更に貪り味わい続ける。
「あああああああ!! 美味しい!! 美味しいれすうううう!! んふうう!!」
「まったく、本当に君は」
「だってえええええ!! 本当に美味しいんだもおおおおん!! 師匠のアイス!!」
一転、少女はまるで小動物のような可愛らしい笑みを漏らした。口に頬張り咀嚼するアイスに舌鼓みを打ち、「はあああ・・・・・・本当に生き返ったああ~~~・・・・・・!」と漏らした。男はそんな少女を眺めながら、溜息を吐く。呆れと、可愛らしいという感情を含んだ溜息だ。
「そんな風に言うのならもっと落ち着いて食べないと。自分の分を落としちゃわないようにきちんと持っておかなきゃいけないだろう」
「うう! だってだって! 油断しちゃったんですもん!」
「油断大敵。鍛錬のときにもよく言っているだろ?」
「あううう~~~・・・・・・」
「特に、こんなところでは―――――――ん?」
周囲を見回していた男は、何かを感じとった反応を示した。わずかな気配の変化だ。
「師匠?」
「舞。すぐに食べ終わりなさい」
「ふぇ?」
「また現れたぞ」
男の言葉と視線に促されるように、目線を同じ方向に向け直す。するとつい今の今までの少女の表情がきゅっと引き締められる。真剣な態度は敵と戦いを前にした、戦士と瓜二つだ。
「いけるか?」
「はい。大丈夫です」
二人は準備を整えはじめた。立ち上がり、準備体操のような仕草をとった。そんな二人に対して二つ三つ、数え切れないほどの気配が近づいてくる。既存の生命体からは明らかに逸脱している、獰猛な獣の姿をしている。
「もう、倒しても倒してもキリがないです~~。ここの魔物たち~~」
「当然だろう? ここはそういう場所。ダンジョンなんだからな」
「それはそうですけど~~~。せっかくのアイスを味合わないままだったんですよ? いくら覚悟して冒険者になったとはいえ、不満ですよ~~。師匠はいくら仕事好きだからとはいえ、ビールを飲んでいるとき上司から会社に来い! って言われたらテンション下がりません?」
「・・・・・・・・・毎週それはキツかったな~~・・・・・・」
「地雷踏んじゃった!! ごめんなさい!」
「・・・・・・・・・しょうがないな。夕食はちょっと豪華なものにするよ」
「本当ですか!?」
「ああ。だから、もう一踏ん張り。元気を出せ」
「わあああああい!! 師匠、大好きです!」
――現金な子だな―――
露骨に態度が変化したし、簡単に好意を告げられたのだ。自分で言い出したことだが、苦笑してそうおもわざるをえない。しかし、喜色満面になってやる気を出した少女を見ると、まぁいいかともおもってしまう。
「行くぞ、舞」
「はい! 師匠!」
男の呼びかけに元気よく応えて、そのまま二人は突っ込んでいく。
魔物。ダンジョン。冒険者。彼らが口にした単語は、本来ならば空想にしかない。ゲームやアニメでよく描かれる空想のもの。
しかし、現実として存在しているのだ。魔物を倒し、ダンジョンを攻略し、ギルドからの依頼を受ける。そんな冒険者家業が現代の世界において一般化されている。この二人も、そんな冒険者だ。
少女の名は望月 舞。男は山本 文大。二人はいつものように、ダンジョンを駈けていくのだった。
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