剣士VTuberは銃社会(FPS)で無双したい

@im1t4t10n

第1話

 2XXX年。

 Last Vanguardというゲームが出てからというもの、それに代わるゲームは未だに出てきていない。

 Last Vanguardは最初こそリアル志向のFPSを謳っていたが、MMORPGやオープンワールドゲームなど色々高クオリティなゲームが追加されていった。

 その結果、これで良くね?となってしまったのである。もはや、他の企業はLast Vanguard内のゲームの開発として、合併されていく時代となった。

 そんな中、新たにプロゲーマーとして世に出ようとしている高校生たちがいた。

 一人は一ノ瀬 零。アルビノのせいで髪は白、眼は赤色をしている。

 もう一人は中村 結衣。ロングの黒髪をおろしている美少女だ。

 この他にも3人ほどいるのだが今夜配信をするのはこの二人だ。

 更に今回デビューする5人は、Virtual GamerS、略してVGSという大手Vtuber事務所がプロゲーム界隈に新たに参戦すると決めてからの最初の5人となるのだ。

 そんな環境で今夜デビュー配信をすることとなった二人だが、緊張している様子はなかった。

 

 「なあ、結衣?緊張してるか?」

 「してない。人生で初めての配信にはなるけど、大会でClutchしなきゃいけないときよりマシ」


 こんな感じで本人たちにも理由がわからないが、緊張してガチガチになってしまうよりも何倍もいいことだろう。

 ただ、こうやって雑談できる時間がいつまでも続くことがあるはずもなく、すぐに零の配信の時間になってしまった。

 それに気づいた零は名残惜しそうに通話を切ったあと、気合を入れる。

 

 「よし!人気になれるかどうかは分からないけど、プロゲーマーとして入るんだからな……ゲームさえ出来ればどうにでもなるだろ」


 楽観的かもしれないと思いながらも、配信を開始する。

 するとすぐに人が集まってきて、大手Vtuber事務所がプロゲーマーを雇うことになったのだから注目は一入ひとしおだった。


  >待機

  >待機

  >待機〜

  >きちゃ!

  >Vtuber事務所として初のプロゲーマーっていうんだから、相当強いやつなんじゃね?

  >めっちゃ期待!!


 期待の声多く寄せられているのを見て、怖気づいてしまいそうになるがなんとか持ちこたえる。

 視聴者の期待が絶頂に達したとき、マイクをオンにして話し始める。


 「はーい、めっちゃ期待されてるけどこんばんわー。VGS、Last Vanguard部門となりましたNovaです。どうぞよろしく」


 急に話し始めたこともあって、最初こそコメント欄も驚いていたが、段々落ち着きを取り戻していく。

 コメントが落ち着いたのを見計らって、Novaは話を進めていく。


 「うわ、コメントはっや!っと、もうちょっと自己紹介しておくか……

 多分だけどLast Vanguard部門ーって言っても、遊べるゲームが多すぎてどれのこと言っているのかわからないと思うから、詳細に言っておくね。

 俺……というか今回デビューする5人でチームを組んで、5vs5の爆弾爆破FPSを舞台として戦うこととなります!」


 5vs5の爆弾爆破……通称ボマーは、Last Vanguardの中のFPSでも一番の人気を誇るゲームである。

 ボマーの特徴は、様々なキャラコンがあるところだろう。

 プレイヤーたちはそのキャラコンを駆使しながら戦うことが醍醐味となっているため、発売されてから3年経つ今でも日々新しいキャラコンが開発されているほど人気となっている。


  >うおおおおおおおお!!

  >まじか!最近マンネリ化とは言わないけど、チームメンバーとか変わらないせいで、飽きてきてたからこれは期待。

  >日本初の世界一になってくれ!

  >ボマーかぁ……最強って呼ばれてる人はほとんどそこだけど大丈夫なのかね?

 

 ボマーでは未だに日本人が優勝したことがないため、そこを期待する声が多かったが、一部の人達には強い人が多いゲームなため心配されている。

 

 「今日は時間の関係上ゲームをするっていうのは厳しいから、実力の方はまた今度になるかな」

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