第24話 変な鏡台

 いや、変だと思うじゃん?

 まぁ、聞いてよ。

 ここ奢るから。


 1年くらい前に、鏡台を買ったんだよ。

 ホントに、限界でさ。

 アンティークショップに寄ったんだよ。


 白くてバラの彫刻が細かくあって、すごい綺麗でさ。

 アンティーク物で、値段もまぁまぁ安かった。

 ただ、気になる書類がセットでさ。


『返却はこちらまで』

『何かあったら、この紙を鏡台の前に置いて下さい』


 電話番号も書いてあって、調べたらその店舗だった。

 もう1枚には、何も書いてなかった。

 返却? と思ったけど気にならなかった。

 え?なんでって?


 メンタルやってる時って、そんなこと気にできない。


 で、しばらく使ってた。

 


 そこから数ヶ月くらい? かな。

 ほんっっっっとに限界だった時でさ。記憶が無いんだわ。

 もう無理ってなって。


 鏡台の前に、貰った紙を置いたの。

 

 で、起きた時に見たらさ。

 なんか、書いてあるの。

 あー、もしかして呪いの道具みたいなものか? と思ってみたらさ。


『ご連絡ありがとうございます。貴方の適正的に、今の職業は向いておりません。以下に向いている職業を記載しております。ご確認いただければ幸いです』


 1回、置いて仕事行ったよね。

 おかしくない? まだ呪いの言葉とかだったら分かるけど。

 私に向いてる職業と求人票へのQRコードが貼ってあった。

 あと、特徴とか働いている人の性格ものってた。


 もうね、限界だからそれを見て転職して今だよ。


 鏡台? 返したよ。

 使わない……というより、向こうから連絡が来た。

 ちょうどいいし、返そうと思って。


 店? もう無くなってた。

 何だったんだろう。 

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