第44話 その後

新堂さんの元父親と対面した次の日の昼休み。俺は早瀬と一緒に屋上に向かっていた。


「早瀬はいつの間に連絡先を交換しているんだよ」

「女子は友達になったら、すぐに連絡先は交換するものよ」

「そんなもんなのか?」


と話しながら屋上に到着した。屋上には、


「待っていたわ。2人とも」

「昼の時間にゴメンね」

「・・・」


九条さんと斎藤さん、そして新堂さんの学年3大美女が揃っていたが、新堂さんはちょっと落ち込んでいるみたいだ。


「昼を食べながら、美玲と美琴の2人にはあの時のことを説明するわね」


あの時のこと・・・ってのは言わずもがな新堂さんの元父親が不審者の正体だったという出来事のことだな。


「・・・あの男。まさか灯里に会うためにここまで来たってこと?」

「そうみたいね」

「灯里ちゃん大丈夫?」

「うん・・・けど、また現れたらと思うと怖くなっちゃって」

「灯里の男性恐怖症の一端を握っているからな」

「野上君は相対してどう思ったかしら」

「そうだな・・・」


あの男の目はまだあきらめていない目だった。それに、


「無理やりにでも新堂さんを連れて行こうとするだろうね」

「そうよね」

「確か・・・パトロールを強化するって話だよね」

「プラスで灯里のお母さんが一時送り迎えをしてくれるらしいのよ」

「それまで、灯里ちゃんは外に出られないよね」

「うん」


これは・・・結構めんどくさいことになりそうだな。


「お金に困っている感じだったし」

「野上君は間接的に聞いたから分かると思うけど、あの人慰謝料も養育費も踏み倒しているって」

「社会のゴミじゃない」

「言いすぎってわけでもないよね」

「法律の関係上、新堂さんの親権は母親が持っているみたいだし・・・ってそれも関係ない感じがするんだよな」

「つまり、灯里を利用してお金を取ろうと考えているってことよね」

「そうだな」


本当に今まで出会ったクズの中で1・2を争うレベルのクズ野郎だな。


「本当に、灯里の邪魔しかしなよな。あの男は」

「邪魔って・・・確かにそうだよね」

「野上君を襲う可能性はあるのかしら?」

「俺?」

「だって、向こうは灯里を連れて行くのを邪魔したあなたに対してムカついているんじゃないかと思ってね」

「それはあり得るんじゃない?」

「野上君。大丈夫なの?」

「・・・だから、俺も帰るときは妹の迎えの後に、保育園の園長さんに事情を説明して送ってもらっているんだよね」


めっちゃ優しい園長先生でこっちは助かっているんだよな。


「それならよかったわ」

「野上君。私のせいで本当にごめんなさい」

「別に前々期にしていないから謝らなくていいよ。一番悪いのはあの男なんだから」

「そうだよ灯里。あいつが一番悪いんだから」

「・・・うん」


さっさと捕まってほしいんだがなぁ。ああいう奴はゴキブリみたいにしぶといからな。気を付けて行動しよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る