文字の導入に必要な物
リーゼには執務室が与えられた。ある日ノックの音がした。
「リーゼ、話がある入ってもいいか?」
「お父様どうぞ」ドアが開き、王は二人の男を連れて入ってきた。
「こちらにどうぞ」リーゼは3人に椅子をすすめた。
「この二人は、ダルとギルという私の腹心だ。先の会議でも文字の導入に最初から賛成していた。この者をお前に付ける。3人でこの問題の解決にあたるように」
「ダルです。よろしくお願い致します」
「ギルです。よろしくお願い致します」
「リーゼです。お二人の事は存じ上げています。優秀な方が参加して下さって心強いわ」
「ではりーぜ」王何かを送った。そして
「後は頼んだぞ」王はそう言うと部屋を出て行った。
「お二人の真名を教えてもらいました。今から文字についての知識を送ります」
リーゼはそう言うと、二人に今までの事を送った。
「お判りいただけましたか?」リーゼの問いにダルが
「はい、ありがとうございます。今問題になっているのは文字を何に書くかで間違いないでしょうか?」ギルもうなずいた。
「そうです。文字を書く方法はいろいろあるようですが、カルディア国にあるもので出来るかということです」
「ナギ様の国では紙と言う物に書いているんですね」
「ええ、ナギのランドセルに入っていたものはすべて紙に書いてあったわ」
「紙をこの国で再現できないのですか?」
「そう思って紙の作り方を聞いたけど難しそうね」
「他に方法は無いのですか?」
「後、ナギが言っていたのが、粘土板、竹、木の皮、動物の皮とかだったけどどれも難しいのよね。この国にあるもので考えないと」
三人が考え込んでいると、突然光が降り立った。
『リーゼよ、ナギの使いで来た』
「え!もしかしてリーフ?」
『そうだ、これをナギから預かって来た』リーフは机に四角い薄い物を置いた。
『これは、ナギが工房に頼んで作ってもらった試作品だそうだ。詳細を送る』リーフはリーゼに情報を送った。
「縦糸は絹、横糸は植物の繊維で織りあげてあるってことなのね。リーフ明日にでもナギに会いたいのだけど」
『しばし待て・・・・。サクラからナギの返事だ、承りましたとの事だ』
「ありがとう、明日伺うわ。その時に詳しく聞くわね」
『承知した、では我はこれで』そう言うと光は飛び去った。
「リーゼ様今のは?」
「ナギについている、使徒のリーフよ。サクラもそう。それより、これについての情報送るわ」リーゼは二人に情報を送った。
「なるほど、横糸を植物の繊維にすることで固さを出しているんですね。表面もかなりなめらかですし、これなら文字を書き留められるかも」ダルが言う。
「ということは、後はなにをつかって書くかということになりますね。船の塗料などが使えないか調べてみましょう」ギルが続いた。
「お願するわ。私は明日ナギにあってこれの事を詳しく聞いてくるわ。明日私が帰ってからまた話をしましょう」
「承知いたしました」二人は声をそろえてそう言うと立ち上がり一礼すると部屋を出て行った。
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