新しい家と、ヴェンティ様の結界

門を入った馬車は、敷地をかなり走った。そして王宮から離れた見晴らしのいい場所に建つ小さな家の前で停まった

「さあ、着きましたよ」カイがそう言うと皆馬車を降りた。

ナギ達が家の方に進むと、

『ナギサよ、ペンダントを掲げよ、リーフ、サクラ補助しろ!』

「ヴェンティ様?」ナギはペンダントを手に持つと掲げた。

凄い光がペンダントに集まった。そしてその光をリーフとサクラが家を囲むように導いた。

『カイト、ナギサを支えろ』カイは言われた通りにナギの体を支えた。

暫くすると光は消え、ナギは気を失うように後ろに倒れた。カイはしっかりと抱きとめた。

『われの加護により、この家に結界を張った。この結界の中にはナギサが許可したものしか入れない。人と言うのは何をするかわからないからな。リーフ、サクラ後は頼んだぞ』その言葉と伴に光は消えた。

カイは眠っているナギサを抱き上げた。

『部屋で休ませましょう』

「そうだな」

「何が起きたんだい!」

『ヴェンティ様がこの家に結界を張られたの、ナギサの許可した人しか結界には入れないわ』

「そうなのかい。とにかくナギを休ませないと。カイ部屋へ運んでくれるサクラ案内して」

『こっちよ』カイはサクラの案内でナギを部屋へと運んだ。サクラが階段を登り、ナギの部屋のドアを開けた。カイはナギをベットへ寝かせた。

『後は、私が付いているから、大丈夫。王に報告しておいて』

「解りました。サクラどうして使徒の姿をしているのですか?」

『結界の中なら、本来の姿をしていても外からは見えないからよ』

「承知いたしました。王に報告に行ってきます」


カイは一階に降りるとエマに

「ナギは、サクラが付いているので大丈夫です。王に報告に行ってきます」と言い宮城へと向かった。


『エマ、結界の中ではわれらは使徒の姿をしていられる。荷物を運んだりすることも手伝うから心配するな、必要なものは結界の外まで運んでもらえ』

「いいのかい?使徒にそんなことを手伝わせて?」

『ナギサの安全を守るためだ。ヴェンティ様もおっしゃっていたが、人と言うのは何をするか解らない。ナギサが国に必要と解っていてもだ。王から連絡が来たら教えるから、結界の外で話をしろ』

「ありがとう。必要な時はお願いするわ。さて、お菓子を焼いておこうかね。ナギが目を覚ましたらお茶と軽い食事にしましょう」

『ああ、そうしてやってくれ。サクラが付いているからナギサは心配ない。我は家の周りを見てくる』リーフはそう言うと犬の姿に戻り外に出て行った。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る