2話 宇宙婚活推進期、光年レベルではじまります
ナレーション:ストレートフラッシュ号に、人口維持計画の一環として婚活推進月間の案内がポストに投函されました。対象者は――独身の男性乗組員、つまり男性陣全員です。
(観客*拍手からのざわ……)
ケイシー「ちょ、待って待って。恋愛非達成者は居住権に影響ありって何!? 俺たち、急に追い出されるの!? そもそもこの宙域に居住権なんてあるの? 移動しよう! ワープ!」
(観客*船内のエラー音に微笑)
ノミー「……ほう。パートナー特典でプレミアム掃除ツールセットが貰える? 初めての共同作業はお掃除で、ですか。ふむ、なるほど。つまり、独身は厚みが無くなったモップで人生を磨けということですね」
ガンボ「オレのプロフィール画像、勝手にAIが登録してるんだけど……あはは、冷蔵庫がプロフなんておもしろいね!」
(観客*笑)
ナレーション:現在、船内ではマッチングアプリAI「ユニバースマリアージュ:ユニマリ」が自動で活動中。全員の相性と発言ログを分析し、最適なお相手が提案されたようです。
ケイシー「おいおい、オレの理想のタイプに自分って出てるんだけど!?」
ノミー「私は相性98%と出た相手が、四次元ダストボックスでした。吸引力は高そうですね」
ガンボ「……おもしろ! 冷凍保存がお勧めされてた! 理想の出会いまで255年だってさ! オレ、コールドスリープしてくる! みんな生きてるよね?」
(観客*くすくす)
ガンボ「反応ないけど、みんな彼女ほしいの?」
ノミ―「……さて、今日は徹底的に窓を磨きますか。この薄毛のモップでね。そんな気分です」
ケイシー「分かってないなガンボ。欲しい、欲しくないじゃない。待つ。来るまで待つんだよ」
(観客*しん……とした空気)
ケイシー「うおおおお!? エマちからメール来たーーっ!」
(観客*ドッ)
《New Message from:💫夢見星のエマち🌙(普段は人見知りだけど、好きな人にはぎゅうーって甘えちゃいます♡)》「はじめまして✨プロフ見て“運命かも”って思っちゃいました💖 じつは今、船外の静かな場所で“本気の出会い”探してます🪐
よかったら、エマちとあなただけのエアロックルームで2人きりでお話ししませんか?💕 いっぱい、あなたのこと知りたいな(≧◡≦)
👉 https://galaxy-match.ai/login/secure-entry/fatalmoon ←ここから来てね🌌」
ケイシー「うおおおお!? リンク入ったらスマホの操作が効かなくなった! 色々アプリがインストールされてる! たすけて! エマちぃ、どういうこと? わあああ、楽曲も全部吸われてるうううう!?」
(観客*あ~~~~~~!)
ナレーション:カップリング成功率98%! 満天の彗星群は、ふたりの恋を引き寄せる――今すぐ“ユニバースマリアージュ:ユニマリ”で、運命の出会いを。(※当社調べ。副作用としてデータ漏洩・人格崩壊・冷凍保存を含む場合があります)
それではまた次回! この家、誰ん家――
(観客*宇宙んち! *拍手)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます