「あんなカンジの動物だっけ?」そうカンジたら、このクイズとアンケートに答えてね!

まみ。

第1話 このカンジの動物、な〜んだ?

「動物園に着いたけど、まず何を見よっか?」


「馴鹿を見たい!」


「馴鹿?あっ、ここだね!」


「あれが馴鹿なの?あんなカンジだっけ?」


「馴鹿は、こういうカンジだよ?クリスマスにサンタさんが、馴鹿と一緒にソリに乗ってプレゼントを運んでくれるよね?」


「サンタさんを運んでくれる動物って、こんなカンジだったんだね!まるで駱駝みたい!」


「隣に駱駝もいるよ?」


「本当だ!駱駝だ!背中にコブがある!」


「あのコブの中には脂肪が入っていて、エネルギーを蓄えてるんだって。あと駱駝は、ほとんど汗をかかないから、コブには体温が上がり過ぎるのを防ぐ役割もあるんだよ。」


「それはよくわかんない。あれ?驢馬もいる!」


「よく知ってるね!」


「王様の耳はロバの耳っていう話もあるよね。」


「しっかり覚えてたね!この前、話したばかりだったね。噂はすぐ広まるものだっていう教訓を伝える物語だったよね?」


「それもよくわかんない。あっ、あれって樹懶?」


「そうだね!樹懶がいるね!名前の通り怠けてばかりいるイメージが強いけど、省エネな生活を送っているだけなんだよ。」


「それって結局、怠けてるって意味じゃないの?」


「そうかもしれないね。あっちには栗鼠もいるよ!」


「栗鼠って、こんなカンジなんだ?鼠みたいだね!」


「栗鼠は、栗の鼠とも呼ばれてるからね。シマリスとか、イワリスとか、栗鼠には仲間もたくさんいるんだよ。マーモットやプレーリードッグもそうだし、摸摸具和も栗鼠の仲間なんだ。」


「摸摸具和って何?」


「摸摸具和は、ハンググライダーみたいに飛べる栗鼠の仲間だよ。江戸時代にモモングァと呼ばれ始めたんだけど、そのうちモモングァーやモモンガーになって、最終的に摸摸具和になったと言われてるね。」


「モモングァーのことも、よくわかんない。あっ!鼬もいる!」


「本当だね!かまいたちは、鼬の仕業だと昔は言われていたんだ。しかも鼬の中でも、このカンジの動物は白鼬って呼ぶんだよ。」


「このカンジの動物が白鼬なんだ?」


「白鼬を知ってるの?すごいね!白鼬は鼬よりも小さくて、冬になると毛が白くなるんだよ。」


「冬になると、おじいちゃんになるの?」


「おじいちゃんになるわけじゃないと思うよ?あそこにいるのは白鼬の中でも、北海道にいるエゾオコジョらしいね。」


「あれ?あっちの白鼬は、すごい大きいよ?」


「あの動物は白鼬じゃなくて、貂だね。貂がいるのは日本だけだと言われてるから、ニホンテンとも呼ばれてるんだよ。」


「あっちには狸もいる!」


「あの動物は、狸じゃないよ?洗熊だね。」


「洗熊って、ああいうカンジなの?」


「ほら!しっぽを見て!シマ模様でしょ?狸には模様がないんだよね。」


「ここからじゃ、よく見えない。」


「あ、あの洗熊を見て!木に登ってるよ。狸は木に登らないんだ。」


「ま、いっか。どっちでも。あれって犀?」


「犀だね!犀にもたくさんの種類がいて、シロサイとか、クロサイとか、あとは地方によってインドサイやジャワサイもいるよ。」


「鼻の上にある角が立派だね!」


「あの角は、実は骨じゃないんだってね。毛が束になったもので、髪や爪と同じ成分でできてるんだ。びっくりしたでしょ?」


「全然わかんない。」


「そうなの?初めて聞いたとき、驚いたんだけど。この辺りからは、海の生き物なんだね。」


「あー!鯨もいる!」


「普通は海豚って呼ぶね。」


「あれって、鯨じゃなくて海豚なんだ?」


「正確には、鯨と海豚は同じ生き物なんだけどね。小さいのを海豚って呼んで、大きいのを鯨って呼んでるんだよ。」


「あれでも小さいんだ?」


「あそこにいるのは4メートル以下だと思うから、海豚なのかな?」


「じゃあ、あっちにいるのはどっち?」


「あれは鯱だね。」


「シャチホコって、あんなカンジだったっけ?」


「シャチホコじゃないよ?鯱だよ?」


「あっ!あっちで海豹のショーをやってる!」


「あの動物は海豹じゃなくて、海驢ね。」


「海驢って、ああいうカンジなの?」


「ほら!耳たぶがあるでしょ?海驢は耳たぶがあるんだけど、海豹は穴が空いているだけなんだ。」


「耳たぶ?わかんない。」


「じゃあ、ほら!あの海驢を見て!四足歩行してるよね?海驢は歩けるんだけど、海豹は這って進むことしかできないんだ。その代わり海豹は、海驢よりも泳ぐのが得意なんだよね。」


「難しすぎるよ!」


「こういうシーライオンショーに出てくるのは、普通はカリフォルニアアシカなんだよね。つまりアシカショーに出てるから、あの生き物は海驢なんだ。」


「うーん。じゃあ、あっちにいるのも海驢?」


「あの動物は、海驢にかなり似てるけど、実は膃肭臍だね。膃肭臍の中でも、キタオットセイと呼ばれてる種類なんだ。膃肭臍は、海驢よりも毛深いんだよ。」


「じゃあ、あそこにいる動物はどっちなの?」


「あの動物は、キバがあるから海象だね。しかも、太平洋セイウチという種類の海象だね。」


「あっちのは?」


「海牛だね。」


「そっちじゃなくて、あっち!」


「えっと、あっちの動物は儒艮だね。人魚に間違えられたことがあるんだよ。ほら!人魚にそっくりでしょ?」


「ぜーんぜん似てない!」


(第2話に続く)

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