或る欺罔者の独白

 おお、怖えー。話題の騎士様のご登場だぁ!


 おっかねぇな、そう怒んなって。


 俺らはちょぴぃっと村のいくつか潰しただけじゃねぇか。王国きっての騎士様の出番じゃねーよ。


 あん? しらねぇのかよ。ここいらの盗賊全滅させてみろ。不思議と周辺の村々から男が消えてっから。俺はそんなカスを畑の肥やしにしてやって、もういらなくなったモンを有効活用してるだけなんだぜ?


 見ろよ。俺の手下どもがみーんな怖がって逃げちまった。結果ひとり待ってたワケだが……なんともお寒いもんだ。


 ええ? いいんだよ、どのみちお前からは逃げらんねぇだろ? ここで頭目として最後の決闘ってのも、オマエら好みの展開だろーが。


 セイセイ……ドードーぉ?


 ……プッ! ブッハッハッハッハ! 正々堂々って、マァジで言ってんのかよ……!

 くっははははは! 笑える! 面白すぎるってさすがにィッひひひひひはははははははは!!


 ひぃ、はぇ……ふぅ、っふふふふダメだはははははははは!


 ええぇ? いや笑うだろぉオマエ!


 絶対に勝てる聖剣ぶん回して! 

 絶対に負けない鎧にくるまって!


 そんで、ふっ、なんだぁ?

 尋常にぃ? 正々堂々ぉ?


 おんもろすぎぃ! あっはっはっはっはっはっは!!


 いやぁ、すげえよ、すげえ! 騎士道精神感じるってェ!


 あん? ——おいおい本気か?

 鎧外すか普通。いや、文句なんざねぇけどよ。

 

 ああ……これで互いに敗北し得るって意味で対等だわなぁ。

 ま、聖剣だけでもやばいっちゃそうなんだが……まさか本気で鎧を捨てるたぁ思わなかったぜ。

 ひとり残った俺への敬意ってヤツなのか?


 うっわぁ……ほんっとに気色わりぃな。オマエら。命をなんだと思ってやがんだか。



 ————総員、放て。

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