ラッキーで転生したら、安倍元首相だった!

奈良まさや

第1話

ラッキーで転生したら、安倍元首相だった!



【登場人物】

   •   安倍 元首相(中身:20歳女子・綾香)

 元・世界体操連覇、反復横跳びの女王。20歳で電撃引退後、まさかの心筋梗塞で死去。だが、目が覚めると安倍晋三の体に転生していた。座右の銘は「人生は反復横跳び。避けられるなら避けるが吉」。

   •   狙撃犯

 歴史通り演説中に銃を撃つ男。

   •   ドクターY

 救急ドクター。真面目で腕も確か。ストレスで胃薬が手放せない日々。

   •   秘書・田所

 真面目で有能な側近。



【プロローグ】


「世界体操・反復横跳びで連覇して、20歳で引退した私が――『この筋肉、もう反復横跳び以外には使いません!』とかドヤってた私が――

まさかの心筋梗塞でTHE END。いや、終わった……はずだったのに、なぜか続編きちゃったのよ!」


天国での綾香。

閻魔様が遠距離恋愛の織姫を口説いてて機嫌が良かったから、特別に“短期転生プラン”をくれたらしい。なんというラッキー。

(綾香の命日は、7月7日)


そして突然、怪しげな光に包まれる——。



【シーン1:奈良・西大寺のホテル】


ふかふかのベッドの上で目覚めた綾香。なんだか体が重い。毛深い腕にシワのある肌。


「……なにこれ!?ツルスベ美肌どこいったの!?え、嘘、これ安倍晋三!?よりによってあの安倍ちゃん!?

しかも今日って……え、7月8日!?銃撃の日!?いや無理!絶対無理無理無理!!」


パニックのままバスルームへ走り、鏡で確認。


「信じられない……この顔で世界体操とか無理ゲーでしょ。仮病使って休める?いや、元首相が『熱出たんで休みます』とか、国が混乱するって!」


演説予定の7月8日が、カレンダーに赤で書かれていた。「人生の最終章」とまで添えて。


「……ねえ閻魔様、私まだ処女だったんだけど?そこスルーしてこの人生?せめて次の転生では中の上くらいの清楚女子にしてよ……」


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