第8話 おそと の はなし


「ねえ、そとにはなにがあるの?」ってきいたら、リリちゃんがとってもやさしくわらった。

「そとはね、そらがあって、かぜがあって、はながいっぱいさいてるの」って。


そらは、たかいって。くるしくなるほど、たかいって。


チューリップっていうおはなが、いっぱいさくきせつがあるって。

おひさまのほうをみて、ぐんってのびるんだって。


わたしは、チューリップをえほんでしかみたことない。

でも、リリちゃんのこえをきいてたら、ほんとうにかぜがふいてるようなきがした。

おとも、においも、ないのに。ふしぎ。


おそとにいけたら、ほんとうにそのはなにあえるのかな。

せんせいは、「おそとはあぶないからだめよ」っていう。

でも、リリのはなしをきいてると、どうしてもみてみたくなる。

かぜって、どんなにおいがするんだろう。

そらって、どんなおとがするんだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る