ステラバース

猫間黄泉

レダンズ編

第1話「見知らぬ世界、女の子」

「はぁ……マジであのクソ上司……仕事全部押し付けやがって! マジでゆるさねぇ!」


 まぁ……そんな事を嘆いても意味ないけど。


 疲れたなぁ……


 仕事から帰って来たあなたは酷く疲れていて、ベッドに横になると、すぐに眠りに落ちてしまった……


 次の日……?


 あなたは目を覚ました。


 ゆっくり目を見開くと、そこには知らない天井……右に首を回して見ると、カーテンに遮られた大きな窓がある。


 次にあなたは、左に首を回してみた。


 すると……


 左には知らない女の子がこっちを向いて寝ている。


 びっくりして私は足が女の子に当たってしまう。


「んぁ…?」


 女の子は柔らかい声を出した。


「あっ……!」


 私がそう声を出すと女の子は目を開けて、眠そうにあくびをしながら言う。


「ふぁ〜……」


「起きたの、おはよう」


 なんでこの子はこんなに冷静なんだろう……?


「えっと……あなたは一体……?」


 女の子は冷静に、簡潔に答える。


「アンズ、初めまして」


 私は、少し戸惑いながらも答える。


「は、初めまして……」


「ここがどこだか分かる……?」


 私は置かれている状況に訳もわからず、彼女に聞く。


 彼女は淡々と答える。


「ここは私の部屋で、ベッドの上。」


「あと、ここはって言うの」


 ステラバース……ん? ここは彼女の部屋で、ベッドの上……?


 私は彼女のベッドで寝ていた事に気付いて、慌ててベッドから飛び出る。


「あなたのベッド……ご、ごめん!」


 そんな私を見た彼女は、首を傾げながら言う。


「……? 大丈夫だよ? あなた可愛いし、嫌じゃない。私のベッドが良いなら、好きなだけ寝ても。」


 彼女のと言う言葉に私は思考が停止して、腑抜けた声を出してしまった。


「ふぇ?」


 そんな私を気にも留めずに、私に話しかける。


「今度は、あなたの事を教えて」


 そう聞く彼女に、私は仕事やここに来た経緯を話す。


「そっか、あなたが意図して来た訳じゃ無かったんだ」


「通りで、さっきから落ち着きがないんだ」


 動きが忙しない私を見て、彼女は「お茶を淹れるから、そこのソファに座ってて」と言う。


 キッチンから帰って来て、2人分のお茶をテーブルに置く。


「ありがとうございます」


「敬語じゃなくて良いよ。あと、私の事はアンズって呼んで」


 その言葉に甘えて、私は「わ、分かった。アンズ」と言う。


 お茶を一口啜り、アンズはこっちを見て話し始める。


「さっきの話だけど、あなたは多分次元の歪みに巻き込まれたんだと思う。それにその服装、この世界の人間じゃないでしょ?」


「次元の歪み?」


「そう。多分、近くで次元移動リフトリーパーを使った人が居るんだと思う。たまに、それに巻き込まれて次元を超えてきちゃう人が居るの。本当にたまにだけど」


 一体、私はどんな世界に来てしまったのか……

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