第16話《最適化子ねことゾンビねこ》
…景色を遮るものはない。満月の夜。月明かりの中、ぼんやりと水平線が見えている。
ここは、エスネコ衝突により、めくりあげられた世界。三次元の《ちょっと上》にズレた隙間の世界である。類は友を呼ぶと云うが、ズレてるとこにはズレてるやつらが現れる。
ねこにゃん「(*≧ω≦)ねこにゃー」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)ねこにゃー」
ねこにゃん「よくできてるにゃー、やっとこれで、ねこらしさ出たにゃ」
ぴょこにゃん「《かたち》から入るの大事にゃ、それにしてもアルファ、おまい中身と外見合ってにゃいよね。それも子猫の姿にゃ。らしさって(((*≧艸≦)ププッ」
ねこにゃん「(*`ω´*)にゃんだよー。おまいこそ子猫にしてるにゃ。子猫のアメショーが《マッドサイエンティスト》のねこ神様ってどーなのよ?」
ぴょこにゃん「チンチラの子猫が《魔のつくもの全て》の、ねこ神様こそどーなのよ?ギャップ萌えすぎにゃん。」
ねこにゃん「…そんなことより、あにゃたに、ひとつ言いたい事があるわ」
ぴょこにゃん「にゃんだー?」
ねこにゃん「もうアタシ《ねこにゃん》になったの。だから、あにゃたと付き合ってた頃のアタシじゃにゃいのよ」
ぴょこにゃん「ほー…。「旧姓」で呼ぶなときたか」
ねこにゃん「だから、アタシの事はあきらめて…。さっき籍も入れたから、もうあにゃたの愛したアルファじゃないの。もう苦しめないで…」
ぴょこにゃん「( ・`ω・´)にゃに見たコラ」
ねこにゃん「( ;∀;)自分韓流ハマってたす。ヒロイン夢見たっす。もう来世までやらないっす」
ぴょこにゃん「それでも、ボクはキミをあきらめられない…」
ねこにゃん「( ;∀;)あにゃた…」ぴょこにゃん「( ・`ω・´)来世どこいった?」
ーー
ねこにゃん「(*≧ω≦)にー」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)にー」
ねこにゃん「ところでさー。ねこのカラダに再構築したとき子猫にするって決めてにゃいよ。自然と子猫になったにょさ」
ぴょこにゃん「切り替え早っ!実は、おりもだ。さっきのピンクのねこも子猫だったにゃん」
ねこにゃん「…てことは。この概念の世界サイズに合わせられた?」
ぴょこにゃん「サイズというか、この世界がまだ未成熟。《子供》なんじゃないかにゃあ」
ねこにゃん「あー。にゃるほど。まだ《出来立て》って事にゃのか」
ぴょこにゃん「だから再構築した時に、おりたちも、自然と若い姿で構築されたのかもにゃ」
ねこにゃん「じゃあママ抱っこして」
ぴょこにゃん「誰がママよ。おりたち性別あんにょか?」
ねこにゃん「じゃあ…パパ抱っこして」
ぴょこにゃん「( ・`ω・´)いつまでやる?」
ねこにゃん「(*≧ω≦)/)君といつまでも」
ぴょこにゃん「ふたりをー夕やみがー♪」
ねこにゃん「(((*≧艸≦)ププッ、古っ!」
ぴょこにゃん「おまい、ねこの姿になって余計パワフルムカつき度上がったにゃん」
ねこにゃん「(((*≧艸≦)ププッ、それも子猫って…w」
《ドカッ》ぴょこにゃんのハイキックが炸裂した。
ねこにゃん「(>_<")あ痛ー!」
ぴょこにゃん「肉体便利にゃ。どつけるにゃん」
ねこにゃん「自分目が覚めたっす。親にも殴られたことないっす。アムロ行くっす」
ぴょこにゃん「どこによ?つーか、どこまで話したっけ?」
ねこにゃん「この世界はまだ、出来立てで未成熟にゃんだと思う。だから概念が、ねこの姿で発生しても子猫になる。おりたちもそれに適合されたにゃ」
ぴょこにゃん「よろしい。そしてあれを見ろにゃ」
ねこにゃん「月明かりの中、ねこが二足歩行でうろうろしてますにゃ」
ぴょこにゃん「さっきのピンクと青いねこはフツーに会話してたように見えたにゃ。でも他のヤツラほとんどノロノロ歩いてるか立ち止まってるだけにゃ。」
ねこにゃん「概念ねこゾンビ!ゾンビねこ、満月に集まるの巻」
ぴょこにゃん「ゾンビ、ゾンビ言いたいだけにゃん。でもまあ、似たようなもんだにゃ。たぶん明確な自我があるヤツとないヤツに分かれてるんだと思う」
ねこにゃん「にゃるほど。じゃあピンクとか青いのがハッキリしてたのは、この概念の世界で《古株》ってことにゃ?」
ぴょこにゃん「んにゃ。出来立てで《古株》ってことじゃないだろ。むしろ逆にゃ。…んー。レンズで見てもゾンビねこたちよりエネルギーも活発にゃん」
二人は《レンズ》で観測を続ける。
ねこにゃん「じゃあ、ピンクのねこと青いねこは、この概念の世界で《旬》てことかにゃ?」
ぴょこにゃん「恋とヤクの概念が《旬》の世界かよ。でも近いにゃ。優先度高い概念ほどイキイキしてるって事にゃのかも。」
ねこにゃん「じゃあ、おりたちダメじゃん」
ぴょこにゃん「にゃんでよ?」
ねこにゃん「粒、大事にするー?おり、ここのいろんな情報アクセスしてるけど《あんパン》の上に乗ってるくらいしかにゃいよ」
ぴょこにゃん「しにゃいねー。でも今は、ねこにゃん」
ねこにゃん「(*≧ω≦)にゃに?おりのこと呼んだ?」
ぴょこにゃん「おまい、こーゆーときのために「ねこにゃん」て名前つけたんか?」
ねこにゃん「んにゃ。テキトーにゃん。」
ぴょこにゃん「めんどくさいから、話戻すにゃ。さっきの考察からいくと、ここのゾンビねこたちは概念としての優先度低い、もしくは知識のみ。知ってるけどいらにゃいって事にゃのかも。活性度低いとゾンビになるにょかも」
ねこにゃん「ふむふむ、ふみふみ。ふむふむ、ふみふみ」
ぴょこにゃん「にゃにやってる?」
ねこにゃん「子猫は柔らかいモノふみふみするにょさ。リラックスしてるときや、母猫からおっぱいもらう時の習慣らしい」
ぴょこにゃん「それを、にゃんで、おりのアタマでやってるにゃ?」
ねこにゃん「それは、ぴょこにゃんのアタマが柔らかいからであります」
ぴょこにゃん「じゃあ、お返しにゃ!ふみふみふみふみ!」
二人は互いのアタマをふみふみしながら考えていた。
ねこにゃん「あ、わかっちゃったにゃ!」
ーーねこにゃんが「ハイ」と手を上げた。
ぴょこにゃん「はい。そこのねこにゃんくん。答えは?」
ねこにゃん「世界征服であります!」
ぴょこにゃん「んー…。惜しいかも」
ねこにゃん「惜しいの!?」
ーー概念のゾンビねこがうろつく世界。想像の斜め上を三段跳びした閃きが走る。
ーーねこにゃん「惜しいって事は
ぴょこにゃん「おまい天才にゃ。…それもアリだにゃ。それも《惜しい》でいいにゃ。」
ねこにゃん「(*≧ω≦)ににににー」
ぴょこにゃん「(*≧ω≦)にゃにゃにゃにゃー」
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