第7話 妹の悩み
どうもみなさんこんにちは!私は東雲怜奈の妹、
この前中学生になったばかりの私ですが、すでに毎日が楽しくてたまりません!
部活、クラスメイト、寄り道などなど小学生の時よりも楽しみの種類が増えたからです。ですが、そんな私にもちょっとした悩み?があります。
まあ、悩みと言えるほど悩んでもいませんが、ちょっと「うーん」ってなっちゃうようなことがあるんです。
「ねえねえ里奈、早くおいでよ」
「うん」
今日はそんな悩み事を姉さんに話そうと思います。
その姉さんはと言うと、湯船に浸かりながら水面をピチャピチャ叩き、「早く入れ」と私に促してきています。昔から、週に2、3回の頻度で私と姉さんは一緒にお風呂に入っているんです。
2人とも中学生、高校生になって身長も伸びてきたのでちょっと窮屈ですが、姉さんに抱かれながらお湯に入るのはポカポカして気持ちいいです。
「ふぁぁ〜」
「お疲れ様。今日はなんかあったの?」
「ううん、特に。…けどね、ちょっと話したいことがあるんだ」
「え、なになに?」
私は姉さんの太ももの上に座り、姉さんの胸に寄りかかってお湯に浸かります。あごの先が水面にくっつくくらいまで沈みながら、私は最近の学校であったことを姉さんに話します。
「あのね、私けっこうクラスには馴染めてきたの。ていうか、最初からみんな『友達になろー』って声かけてくれてたから、すぐに馴染めてたのね」
「うんうん。いいことじゃん」
「そう、いいことなの。だけどね、みんな声かけてくれるのはいいんだけど、誰と一緒にいればいいのか分からなくなっちゃって…」
「ほほう。それはまた難しいことを言うじゃないか我が妹よ」
姉さんは大して気にしてなさそうなおどけた声でそう言いながら、私の胸を揉んできました。
…これは去年くらいからですが、一緒にお風呂に入ってるとやたら私の胸を揉んでくるんです、姉さんは。姉さんにもおっぱい付いてるんだから自分のを揉めばいいのに、と思いましたが、そう言うと「可愛い妹のを揉まなきゃ意味がないじゃん!」と謎の返答をされたので、最近は抵抗することを諦めました。
そんな姉さんは姉さんなりに胸を揉みながらも答えを考えてくれていたようです。
私の質問に真面目に返答してくれました。
「里奈はさ、誰と1番仲良いと思ってるの?」
「うーん、正直まだ分からないな。まりちゃんって子とは結構喋るんだけど、1番仲が良いかは分からないな。あの子色んな人と喋るタイプの子だし」
「なるほどね。けど向こうから沢山話しかけてくれるんでしょ?」
「うん」
「ならそのまりちゃんと一緒に過ごしてれば良いんじゃない? まりちゃんが他の子とも喋るなら、里奈もその子たちと仲良くなれるチャンスだし」
「そうなんだけどさ、正直まりちゃんたちは私と性格違いそうなんだよね。結構派手というかなんというか」
「ああ!それはダメだ、ダメだよ里奈。まりちゃん達とは一切の縁を断たないと!里奈は派手に染まっちゃダメなんだから!」
「そ、そんなに大袈裟にならなくてもいいじゃん姉さん…。そこまでザ派手ってわけでもないし」
「それでもダメなの!」
「えぇ〜」
姉さんが私のこと大好きなのは知ってるけど、ちょっと好きすぎじゃないかなぁ、なんて思ったりします。
だけど、実際私とまりちゃんは馬が合わない気もするので、姉さんの言う通りなのかもしれません。
「じゃあ姉さんだったらさ、もし話しかけてくれる人が自分の性格と合わないような人だったらどうするの?」
「え、そんなの簡単じゃん。性格が合う人とだけ仲良くするんだよ。話しかけてくる子が苦手なタイプなら冷たくあしらって私への興味を無くしてもらうだけ♩」
「ホントにそれでいいの?相手に申し訳なくない?」
「それはそうだけど、自己犠牲をしてまで相手を気にするもんじゃないよ?里奈は優しい優しい心の持ち主だから『クラスのみんなと仲良くなろう』とか思ってるのかもしれないけど、そんなの無理だから。現実問題、性格が合わない人ってのは一定数存在するものなのさ。そーゆー人とも無理に付き合ってちゃ、こっちの身がもたないでしょ?」
「確かにね。じゃあ私もまりちゃん以外の仲良くできそうな人を探してみようかな!」
「うんうん、そうしな。ちなみにどのくらいの人数の子が里奈に話しかけてきてくれたの?」
「9割くらい」
「ん??多すぎない????」
「そう?普通じゃない?」
「いやいや、普通じゃないよハズレ値だよ。私だって片手で数えられるくらいしか初日に話しかけられなかったのに…」
「え!もしかして姉さん………コミュ障?」
「失礼な!里奈が天然の愛されキャラなだけだよ!一体どんなキャラ設定でクラスにいるの!?」
「もう、変な口調のお嬢様キャラみたいにやってる姉さんと一緒にしないでよね。キャラ作りなんてしてないですぅ〜」
「だとしたらやっぱり里奈は魔性の女ということか…。なるほど、お姉ちゃん、もっとしっかりして里奈の貞操を守らないと…!!」
「せめて私のおっぱいから手をどけてから言ってくれない?」
「嫌だ!」
「はぁ、姉さんってば…」
これだから私の姉さんはお母さんからシスコンシスコン言われるんです。実際私も姉さんはシスコン過ぎると思います…!!
だけど、そんな姉さんも大好きです。いつも優しいし、私の味方だし、何より頼りたい時は頼りになる自慢の姉さんなんです。今だって姉さんと話してたらスッキリしました。
けど、それとこれとは別です。さっきまで私の胸を揉み続けていた代価を支払ってもらいます!
「うぉっ、いきなり動かないでよ里奈!」
「へへん!仕返しだ〜!!」
「あははっ、やめっ、やめろぉぉ!!」
姉さんは昔から脇腹とか脇の下とかをくすぐられるのに弱いんです。今日は徹底的にくすぐっちゃいます!
「あはははっ!やめろってー!!」
「んははっ!やっだね〜〜だ!!!」
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