第43話 幼き魂

ヒュー、バーン!!

兄 あっ花火だ、綺麗!!

弟 あっ、いいなー、俺も花火しようかなー。

父 ( 全知全能の創造主 ) 

  夏だねー。

  2人はどんな花火が好きかな?

兄 やっぱり打ち上げ花火。

  色とりどりの華が夜空に咲くのが綺麗だよね。

弟 俺はロケット花火。敵に向けて打ちたい。

  だって戦争ゲームとか、サバイバルゲームが好きだから。

父 おやおや、弟は過激だね。興奮は平常心を失い

  冷静な判断ができなくなり、自分や誰かを傷つけたり

  最悪、死亡させたりするから気を付けないといけないよ。

弟 大丈夫だよ。その辺はちゃんと弁えているよ。


父 本当かな? ここにちょうど良い事例が有る。

  ある国の大統領は「我が国は世界の警察だ」と世界秩序を守っている。

  これ自体は素晴らしい事だが、時折、横暴になり、

  「法律を守らないなら攻撃するぞ」と脅すことがある。

  そうすると相手が「やれるものなら、やってみろ」と挑発する。

  その挑発に乗って、攻撃を始める。相手も、反撃する。

  こうして言葉の争いから武力闘争に発展する。

  周囲にいる人達は加勢したり、「冷静に」と言ったり様々だ。


  こうした行動は幼き魂によって起こる。

  幼き魂には純朴な面と、無知な面の2つの性質を持つ。

  無知な面が表に出れば、正悪の正しい判断ができず、

  正を悪とし、悪を正とする場合も有る。

  だから冷静に判断できる大人が見守り、

  間違っていたら正してあげなければならない。

  幼い子供にライターを与えてはならない。

  ナイフを与えてはならないのだよ。

兄弟 危険だね。

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