第037話 修学旅行の思い出

 2000年11月10日 京都修学旅行 1日目


「聡、ついに修学旅行だな」


 翔が新幹線の座席で興奮していた。今日から2泊3日の京都・奈良修学旅行。中学生活最後の大きな行事だ。


「そうだね。楽しみだ」


 僕も心が躍っていた。


 受験勉強で忙しい毎日だったが、この3日間は思いっきり楽しもう。


「美桜さんへのお土産、何にするか決めた?」


 翔が聞いた。


「まだ決めてない。京都らしいものがいいな」


 美桜さんの喜ぶ顔を想像すると、自然と笑顔になった。


 新幹線が京都駅に到着した。


「すげー、京都駅って大きいんだな」


 翔が感動していた。


 最初の見学地は清水寺。


 紅葉が美しく色づいて、まさに京都の秋という感じだった。


「きれいだな」


 僕は清水の舞台から京都の街を見下ろした。


 古い街並みと現代的な建物が調和している。


「写真撮ろう」


 翔が提案した。


 僕たちはクラスメートと一緒に記念写真を撮った。


 午後は金閣寺を見学した。


 金色に輝く建物が池に映って、本当に美しかった。


「教科書で見るのと実物は全然違うな」


 翔が感心していた。


「そうだね。実際に見ると、歴史の重みを感じる」


 僕も同感だった。


 夜は宿舎で自由時間。


「聡、美桜さんに電話しないのか?」


 翔が聞いた。


「そうだね。京都のことを話したい」


 僕は公衆電話から美桜さんに電話をかけた。


「田中君、修学旅行はいかがですか?」


 美桜さんの懐かしい声が聞こえた。


「とても楽しいです。清水寺も金閣寺も、想像以上に美しかった」


「それは良かったです。私も去年の修学旅行を思い出します」


 美桜さんが嬉しそうに言った。


「美桜さんは奈良に行かれたんでしたっけ?」


「はい。東大寺の大仏様は圧巻でした」


「僕たちも明日は奈良です」


「きっと感動しますよ」


 美桜さんの声を聞いていると、心が温かくなった。


「受験勉強の方はいかがですか?」


 美桜さんが心配してくれた。


「順調です。でも、この3日間は勉強のことは忘れて楽しみます」


「それがいいですね。思い出をたくさん作ってください」


「はい。美桜さんにお土産を買って帰ります」


「楽しみにしています」


 美桜さんとの電話を終えて、僕は幸せな気持ちになった。


 2日目は奈良。


 東大寺の大仏を見て、僕たちは圧倒された。


「でかすぎる」


 翔が口をあんぐり開けていた。


「こんな大きな仏像を、昔の人がよく作ったよな」


 僕も感動していた。


 奈良公園では鹿と触れ合った。


「鹿せんべい、食べるのが上手だな」


 翔が鹿にせんべいをあげながら笑っていた。


 僕も鹿と写真を撮った。美桜さんに見せてあげよう。


 午後は自由行動。


 僕と翔は京都に戻って、お土産を買いに行った。


「美桜さんには何がいいかな」


 僕が悩んでいると、翔が提案した。


「京都らしい和菓子はどう?」


「いいアイデアだ」


 僕たちは老舗の和菓子店で、美しい京菓子を選んだ。


「これなら美桜さんも喜んでくれるだろう」


 最終日は銀閣寺と哲学の道を散策した。


 哲学の道の紅葉は特に美しく、多くの観光客が写真を撮っていた。


「修学旅行も今日で終わりか」


 翔が少し寂しそうに言った。


「あっという間だったね」


 僕も同じ気持ちだった。


 でも、素晴らしい思い出がたくさんできた。


 帰りの新幹線の中で、僕は修学旅行の感想をまとめていた。


 京都の歴史ある建物、奈良の大仏、美しい紅葉。


 そして、翔やクラスメートとの楽しい時間。


 これらすべてが、僕の中学生活の貴重な思い出になった。


 家に帰って、早速美桜さんに電話をした。


「お疲れさまでした。修学旅行はいかがでしたか?」


「とても楽しかったです。たくさんの感動がありました」


 僕は修学旅行のことを詳しく話した。


「お土産もありますので、今度お渡しします」


「ありがとうございます。楽しみにしています」


 美桜さんが嬉しそうに答えた。


 投資日記を書いた。


『2000年11月12日 修学旅行の思い出』


『京都・奈良修学旅行』

『清水寺、金閣寺、東大寺の感動』

『美しい紅葉と歴史的建造物』

『中学生活最後の大きな行事』


『友情の深化』

『翔との楽しい時間』

『クラスメートとの交流』

『共通の思い出作り』


『美桜さんとの絆』

『修学旅行中の電話』

『お土産への想い』

『変わらぬ恋愛関係』


『投資状況』

『現金ポジション継続:236,400円』

『受験勉強優先の方針』

『人間関係重視の価値観』


 続いて、青春日記も書いた。


『中学生活最後の大きな思い出』


『歴史との対話』

『清水寺、金閣寺での感動』

『東大寺大仏の圧倒的存在感』

『日本の文化への理解深化』


『友情の確認』

『翔との楽しい旅行体験』

『お互いを支え合う関係』

『受験前の貴重な息抜き』


『恋愛関係の継続』

『美桜さんとの電話での交流』

『お土産を選ぶ楽しさ』

『離れていても変わらぬ想い』


『成長の実感』

『文化や歴史への感性』

『友人との協調性』

『計画性と責任感』


 その夜、僕は修学旅行の写真を見返していた。


 清水寺の舞台からの景色。


 金閣寺の美しい姿。


 奈良の大仏の迫力。


 翔との楽しそうな写真。


 すべてが宝物のような思い出だ。


 これらの体験は、前世では得られなかったものだ。


 中学生として、友人たちと一緒に旅行し、歴史や文化に触れる。


 投資で得たお金よりも、はるかに価値ある体験だった。


 美桜さんも、きっと同じような感動を味わったのだろう。


 同じ日本の美しさを知っている。


 これも、僕たちの絆を深める要素の一つだ。


 受験勉強は大変だが、こうした思い出があるから頑張れる。


 美桜さんと同じ高校で、また新しい思い出を作りたい。


 翔とも、高校で一緒に過ごしたい。


 修学旅行で深まった友情を、これからも大切にしていこう。


 中学3年生の秋。


 僕の青春は、さらに豊かな思い出で満たされた。


 投資、恋愛、友情、学業。


 すべてがバランスよく調和して、充実した人生を作り上げている。


 転生して得た第二の人生を、さらに輝かせるために。


 これからも、一つ一つの体験を大切にしていこう。

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