19)職業訓練


「じゃあとりあえず僕がみんなの職業を見てくね。」


みんなに観察のやり方を教えたが、できないっぽかった。

観察だけはスキルがない時でもできたけど、、、あれでも心得みたいな基本のテイマースキルはあったか。

でもテイマースキルと人を観察できるのって関係ないよな。

コツがいるのかな、まぁいいか。


「えっと、セイシロウはモンクで、レンは剣士、ナナは魔術師で、サヤは忍者になってるよ!」


一通り見渡して、全員の職業欄に記載されている文字を読み上げる。


「モンク、、モンクって何だ?」


「剣士剣士ー!やっぱそうだよなぁ、ありがとなぁリン。さすがだぜぇ!」


「ふむふむ、魔術師かぁ。ついにナナちゃん魔法少女になっちゃうのかぁ。」


「忍者、、、」


なんか楽しそうだな、、。

俺にもそんな時期があったよ、うんうん。


「多分モンクは武道僧のことだったと思うよ。ゲームとかだと、近接で戦いつつ癒やしの技も使えるような感じだね。セイシロウの場合は今まで通り体を鍛えて、戦う時は拳法使えばいいんじゃないかな?」


セイシロウは日本拳法?で全国大会の常連らしい。

小さい時からやってるらしくて、昔から体鍛えたり技の練習したりしてるところはよく見てたな。

ていうかほぼそれしか見てないかもしれない、休み時間とか腕立てとかしてたし。


「おぉ〜!いいじゃないか!ここに来てから、毎日体を鍛えれば鍛えるほど前とは比べものにならないぐらい強くなってる気がするんだ!その職業が関係してるかもしれないな!よし、じゃあ俺はもっと鍛えてくるぞ!!」


セイシロウが走って出ていった。

え、このあとの話し合いとかは?

行動方針とかあるじゃん。


まぁいつものことなんだけど。


「あ、俺も行こっかなぁ。俺も剣士だからいつも通りの鍛錬しとけばいいんだよな?」


ちなみにレンも剣道のトップ選手で、実家は由緒ある武家が元になってる剣道場だ。

レンが剣道強いとかは実際見たことないからわらないけど、めっちゃ才能あるらしくてレンの家に行ったときはレンのじいちゃんが1000年に1人の才能とか歴代最強とか言っていつも騒いでる。


「まぁそうだけど。え、これからどうするとかは話し合わないの?」


レンが出て行こうとするので一応止める。


「あー、任せる任せる!やっぱリンがいないと始まんないよなぁ。じゃ、なんかする時は呼んでくれよなぁ。」


行っちゃったよ。

任せるって、、、なんか急に異世界に来て職業とか言われて、不安とか帰りたいとかないのかな。

なんやかんやで彼らもここに来てから結構経つらしいし、色々整理はついてるのかもしれないけど。


そういえば、同じ日に転移?したらしいのにこっちに来てからの時間が違うのは、そういうもんなのかな。

もし他にも来てる人がいて、年単位でズレてたりするとややこしいよな。


「えっとぉ、リン君リン君。それで、魔法ってどうやったら使えるの?アバ◯ケダブラ!みたいな?」


ナナが木の棒持ってなんかやってるよ。

いや、えちょっと待て。


部屋にはもう俺とナナしかいなかった。


「えっと、、あれ、サヤは?」


「え?わかんない、、。いないってことは大丈夫なんじゃない?サヤちゃん器用だし!」


なんだよもう、早速忍者してんじゃん。


サヤはスポーツ万能で頭も良くて優しいからみんなから人気だ。

唯一の弱点は、無口で何考えてるかわかんないから表情から読み取らないといけないってことぐらいかな。


「リン君魔法!早く早く!」


「それが、魔法は僕もやり方がわかんな、、、」


ん?

魔法?

ちょっとまてよ?


あれ、そうだよ俺キューちゃんゲットしたから雷魔法が使えるようになってて、これでアイリスの能力値使用したまま雷魔法使えるんじゃ!?


キューちゃんとの戦闘中で混乱してたぜ。

使えないと思い込んでた。


「、、くないんです!魔法使えるかもしれない!まってね。」


アイリスの能力値を使用して、キューちゃんの雷魔法をセット!

よしできた!


そして、雷魔法を、、、出す!


「はっ!」



、、、


何も起こらない。



「ふっ!やぁっ!雷ぃ!アバダケ◯ブラ!」


、、、


そのままの姿勢で停止していると、憐れみの目をしたナナが肩に手を置いてくる。


「リ、リン君?大丈夫?」


ぬ、ぬぅ。

な、なにも出ない。

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