燐寸と蝋燭
永仁 丞
消灯
蝋燭の火が好き。
白檀の漂う部屋端にしゃがみ込み、頬をついてそれを見ていた。
背中から感じる人々の声はとてもぼやけて聞き取れないが、目を閉じて感じてみると、火が大きく畝って弾けるような、また他の火が混じっては弾き合うように見えた。
こればかりはとても美しく思えないので、やっぱり目を開けて蝋燭を見つめた。
その細やかな炎の先には母がいた。
ある夏の日のことである。
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