転生したらスケルトンでした

@ryu0310

第1話 転生したらスケルトンでした

いつもどこか夢みたいな気持ちで生きていた。

サラリーマンとして生きてきて可もなく不可もなく過ごしてきた。でも本当になりたい自分と現実の自分とのギャップを感じていた。


それが嫌でスマホで異世界の小説を読み、

今の自分とは違う、自由に楽しく生きている世界を妄想しては現実逃避の日々を過ごしていた。


そんなある日。

仕事帰りに急に車道からズレて走ってきたトラックに轢かれて俺の意識はそこで1度途絶えた。


次に目を覚ますとまったく見たこともない洞窟の中に立っていた。見渡すとかなり広い空間で薄っすらと壁が光っていた。


どこだここは?俺さっきトラックに轢かれて死んだよな…。この状況ってもしかして、もしかする?


体を動かそうとすると、カラカラという音が鳴る。

え?そう思って自分の体をみると、骨だった。

どこからどう見ても全身皮膚も筋肉もなく骨になっていた。先程のカラカラという音はどうやら骨どうしが擦れた音らしい。


………。ええええええ?どうなってんだよー!!

暫く頭の中が大混乱だった。しかし時間が経ち周りや自分の体をよく見るうちにだんだん理解していく。


うん、やっぱりスケルトンだよね、この体。

昔やっていたRPGゲームとかで出てくる最弱の部類に入るあのモンスター。それに俺は今なっている。


どうやら俺はトラックに轢かれて死んで、まさかの異世界転生したらしい。


嬉しい!夢にまで見た異世界転生をしたんだ!

でも違う。何でモンスターなんだよ!しかも最弱のスケルトン!普通に人間として冒険者とかやって、その後はスローライフをしたかったのに…。多分この世界にも冒険者とかはいて俺はそいつらに狙われる存在。いきなりハードモードだなこりゃ。


でも、なってしまったのは仕方がない。

ここまできたら何としても異世界楽しんでやる!そう覚悟を決めた!


となると異世界と言えばまずやるべき事と言ったらこれ。

声は出せなかったので心の中で唱える。

ステータスオープン


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:スケルトン

ランク:F

状態:通常

Lv :1/5

HP :5/5

MP :1/1

攻撃力:3

防御力:1

素早さ:2


スキル:

〖鑑定LVーー〗

〖死者の余韻LV1〗


称号:

なし

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


おお!見えた!本当に異世界なんだなぁと改めて感動する。


どうやら予想通りやはりスケルトンらしい。

ランクはF。恐らくかなり低い。

そしてステータスなどが書いてあるが、

やはり1番気になるのはスキル欄。


〖鑑定LVーー〗は恐らく鉄板のあのスキル!

異世界転生の3種の神器。その内の1つがあるのはかなり嬉しい。


問題はもう1つのこのスキル。

〖死者の余韻LV1〗

文字面からは全然予想できないが…。


もう一度スキル名に意識を向けると、

その説明が表示された。

そんな意識が説明に集中してるなか

自分じゃないところであの音が聞こえた。


カラカラ。

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