第14話:班長デビュー、クールな自信リップ

「よーし、今日は頑張るぞ!」


鏡の前で、ひなたは小さくつぶやいた。

中学三年生になってすぐ、

ひなたは初めて「班長」に選ばれた。

今日は、初めて班長として、

班のみんなをまとめる日だ。


ひなたは、普段は活発な方だけど、

リーダーになるのは初めてで、

ちょっぴり緊張していた。

班のみんなを、ちゃんとまとめられるかな。

そう思っていた。


そんなひなたの秘密のアイテムは、

ドラッグストアで見つけた、

ベージュ系の色付きリップ。

塗ると、顔色が落ち着いて見えて、

なんだか知的になった気がするのだ。

「これがあれば、きっと大丈夫。」

ひなたは、リップがくれる

「おまじない」のような力で、

自信をもらおうとしていた。


リップを唇に塗ると、

顔色が落ち着いて見えて、

気持ちが引き締まる。

これで班長もバッチリだ。

そう確信して、ひなたは家を出た。


学校に着くと、朝の会が始まる前に、

班のみんなに今日の予定を伝える。

「えっと、今日は、みんなで…」

少し緊張しながら、ひなたは話し始めた。

その時だった。


ガチャンッ!


後ろの席から、大きな音がした。

班員のハルキくんが、

誤って机の上の水筒を倒してしまい、

水が床に盛大にこぼれてしまったのだ。

「あ、やべっ!」

ハルキくんは、顔を真っ青にしている。


まさかこんなハプニングが起きるなんて!

心臓がバクバクする。

こんな時、リップのおまじないなんて、

ちっとも役に立たない気がした。


でも、ひなたは冷静に、

「大丈夫!雑巾、持ってくるから!」

と、すぐに雑巾を取りに行った。

みんなも手伝ってくれて、

あっという間に水たまりはなくなった。

焦りすぎて、唇が少しカサカサしてる。

もう一度、そっとリップを塗った。

ひんやりとした感触が、

熱くなった気持ちを落ち着かせてくれる。


その後も、班長として、

班のみんなをまとめることができた。

ハプニングはあったけれど、

リップのおかげで気持ちを切り替え、

冷静に対応できた気がする。

ひなたは、班長としての

最初の仕事を乗り越えられたことに、

達成感を感じた。

リップがくれた「気持ちの切り替え」が、

成功の鍵となったのだ。


家に帰って、お母さんに

今日の班長の話と、

水筒をこぼしたハプニングの話をした。

お母さんは、うんうんと頷いてくれた。


「ひなた、初めての班長、お疲れ様。

顔色も落ち着いてて、堂々としてたわね。

もしかして、あのリップのおかげかしら?

ううん、きっとひなたの頑張りね。」


お母さんの呟きが、

ひなたの心にじんわりと温かく響いた。

リップの秘密はまだ内緒だけど、

きっとお母さんも、私の今日の頑張りを

応援してくれているんだ。

そう思ったら、なんだか心がポカポカした。


次回予告:

第15話では、幼馴染の誕生日パーティーを企画する中学二年生のミキが登場! 笑顔が輝く潤いリップでサプライズを成功させようとしますが、まさかのハプニングが…? お楽しみに!


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