第3話 盗賊Aイベントのモンスターと対峙してみる。
そもそも【名付け】とはなんなのか?
それは勇賢者の石を持つプレイヤーのシステムであるNPCを仲間にする際の方法だ。
仲間にしたNPCはパーティーに入れても良いし今回の俺のように自由に生活させて時間によって【物資】や【経験値】等を獲得してくれるお助けキャラのような存在だ。
「盗賊を名付けして仲間にした場合は、他プレイヤーから奪ったアイテムと経験値だったよな?」
そしてお助けキャラにした【職業】や【強さ】、そのキャラクターによって様々な恩恵がある。
俺がゲームをしている時には【商人】を仲間にしてお金を稼いで貰ってたり、イベントでしか手に入らない【職業持ち】を仲間にしていたが、他のプレイヤーも商人、そして【盗賊】を仲間にしてるのが多かった。
「他の奴等が強くなる前に急がないと!!」
NPCは【最大レベル】が普通のプレイヤーよりも低くなっている。俺の場合はただの盗賊Aというモブ中のモブだから最大レベルも最低の30の筈だ。
プレイヤーの場合はそのレベルMAXは9999。段違いな強さが備わってるんだがそれを克服するために【限界突破】や【転生】の機能があった。
「まぁまだ考える時じゃない。まずは俺自身がレベルMAXまで強くならないと」
名付け1つでも名付けをしたとしてもそのキャラクターが受け入れなかったり、ゲームでは絶対に名付け出来ないキャラや、名付けまではいけても仲間にならないキャラがいたりと奥が深い。
俺もゲームをしている時は出回っていない情報のキャラを手に入れることは出来たが、あれは本当に偶然みたいなもんだ。というかそのキャラのおかげで
【プレイヤーランキング】でも100位以内にならなかったことはない。
プレイヤーランキングも正式名称だと【神兵隊序列】って名前でもっとも貢献したプレイヤーに送られる序列みたいな感じだったかな?
その序列でも特典が貰えたり、逆に【デメリット】もあるがそれを考えるのもまだまだ当分先の事だ。
とにかく、元々のゲームでは機能が沢山あって、それを覚えるだけでも挫折したユーザーは少なくない。
俺でさえ全ての機能を100%覚えてるかは自信は持てないが、初期にやらなくてはならないことは最低限覚えてる。そして絶対条件なのは‥
【自分のレベルをMAXにする。】
【あるアイテムを買えるぐらいお金を稼ぐ】
「‥そして【プレイヤー】から勇賢者の石を奪うだな?」
勇賢者の石は絶対条件であり、それが手に入らないと手詰まりになってしまうのは目に見えている。
「証が無くても‥‥いや、それはハードモード過ぎる。手に入れても俺では扱えない可能性もあるが、その時はまた別の方法を考えよう」
俺はしがないモブキャラの盗賊なので、手に入れても無駄な可能性はあるが、それでもやりようはいくらでもある。プレイヤーには【証】が‥
‥まぁそれを考えるのも手に入れてからでも遅くはないだろう。
「リアルで見るとこんなにもドロドロしてるんだな‥」
俺の目的地にはマグマが固まったような人型の物体があり、その物体は10メートルはある大きな物だ。
【古のタイタン】
途中からアップデートされて実装されたイベントボスの1体だ。
だけどこのボスのイベントはプレイヤーやチームがどの程度ダメージを食らわせることが出来るのかを競うイベントモンスターであり、時間が経過すると戦闘は終了する。
今はまだ時期じゃないのだろう。まだ古のタイタンは【封印】されてるような状態だ。
「それでもモンスターとしては認識しているな。これなら【ロブ】のスキルが使えるはずだ」
古のタイタン。このモンスターのイベントは
【ダメージがどの程度食らわせるか】のランキングの他に新しいイベントが実装されている。
そもそもこのタイタンのイベントは沢山ある。
まず1つが
【ダメージがどの程度食らわせるか】
そして次のイベントが
【タイタンの下僕を制限時間でどの位討伐出来るか】
3つ目が
【タイタンの配下が封印を完全に解除するのを食い止めろ】
そして最後が
【古のタイタンの討伐】
この4つがタイタンの大まかなイベントだった筈だ。
「最後が1番簡単だったんだよな。ワンターンキル出来るぐらいだし」
それ以外にもタイタン関係のイベントは多々あった筈だけど覚えてない。ま、その内思い出すだろう。
「それじゃあタイタンからスキルを奪うか
ロブ!」
【スキルを発動しましたが失敗しました。】
1度目のロブは失敗した。そりゃ1%の確率が簡単に成功するとは思ってない。
「成功するまで何度でもやるだけだ‥
‥ロブ!!」
【スキルを発動しましたが失敗しました。】
「ロブ!」
【スキルを発動しましたが失敗しました。】
「ロブ!!」
【スキルを発動しましたが失敗しました。】
「ロブ!!!」
【スキルを発動しましたが失敗しました。】
「ロブ!!!!」
【スキルを発動しましたが失敗しました。】
それから俺は何度もロブのスキルを発動した。
「ロブ!ロブ!!ロブ!!!ろぶうううう!!!
‥こんなに成功しないなんてある?」
何回試したろう?数百回は試してる筈だ。スキルを発動すると【SP】は消費されるがロブのスキルを発動しても成功しない限りは発動してると見なされないから何度でも試せるのは僥倖だった。
それから何回、何十回、何百回と試し遂にロブのスキルが発動した。
「ロブ!!」
【スキルを発動し[時間回帰フィールド]を獲得しましたした。】
「っしゃあ!!やっと成功した‥
‥けど初めてみたスキルだぞ?なんだ【時間回帰フィールド】って??」
廃プレーヤーである俺が初めて遭遇するスキルを手に入れることに成功した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます